* 第5章  魔法街 *
アルケノス校長の大きな声が大広間を包んだ。

「この度 アルケノス魔法学校に200名の新入生がはいられた まずは先生の紹介じゃ」

「まずは 歴史学の プリネイス先生じゃ」

そう紹介されて現れたのは 少しぽっちゃりした女の人 といってもそう若くもない。

「皆さん ごきげんようでございますわ 魔法歴史学担当のプリネイス・オルジョアですわ」

そういって頭をさげたが 贅肉が邪魔してなんとも見苦しい姿だった。

「次は 魔法学担当の 相田 渚(あいだ なぎさ)さんじゃ」

日本人の先生はこの学校には一人しかいないという。

身なりは 私服に近い感じでその上にローブを着ている感じ。

背も標準で 本当に魔法使いなのか 疑われてもおかしくない。

このあとも先生紹介が続き 龍は寝てしまった 気づいた時には 里奈、早苗、健一以外誰もいなかった。 そしてケロ助の姿もなかった

どうせまたどっかをピョンピョンとほっつき歩いているだろうと思いそんなに心配しなかった。

「ん・・? あ・・あれ・・?」

「あーもう龍ったら 本当にどんくさいというか ほらっ! さっさと起きなさい!」

「龍君 もうみんなそれぞれの寮にいっちゃったよ? 早くいこ!」

「あ・・うん」

龍は眠たい目を擦りながら立ち上がった 3人の後についていき 自分達の寮の前までいくと扉が二つあった。

どうやら男子と女子は別れるみたいだ 里奈と早苗と別れて 健一と共に男子の扉を開けて中に入った。

健一に聞いたところ 俺ら4人はA組らしい あの不良の黒川 彰は奇跡的なのかどうかは分からないが他クラスのようだ。

寮の部屋の中は広々としていて みんながくつろげるスペースがあって 奥の階段を上ると個人の部屋がある。

「そこの二人 もう10分も遅刻しているぞ!」

こちらを指差し怒っている かなりいらいらしているような感じが見受けられる。

「すいません」

健一が謝ったので とりあえず 龍も謝っておい。た

実は龍が寝ている間に 各寮でミーティングが行われる という知らせがあったらしぃ。

無論 爆睡している龍にはわからないはずだ。

そのミーティングの内容は まず自己紹介をして そのあとローブや杖の買出しにいくということだった。

「ではこれで ミーティングを終了する 解散!」

ミーティングの中でさっき二人を注意した人の名前は 安藤 篤というのがわかった。

何故わかったのかというと 服に名札がついていたからだ 名前の前にはわざとらしく大きく室長と書かれていた

龍と健一は魔法街にいくために用意をはじめた

「龍 そろそろいこっか 実は正門の前で里奈と早苗と待ち合わせしてるんだ」

「あ・・うん」

二人は足早に正門に向かうと 早苗と里奈が既にいた。

「ちょっとどれだけ待ったと思ってるの!」

「あーごめん ちょっとミーティングが長引いちゃってさ」

と龍が答えた。

「どうせどっかで油売ってたんじゃないでしょうね!!」

早苗がいらいらしながら言う 彼女の怒りは頂点に達しそうであった。

この後健一と里奈が早苗を止めなかったら いまごろ龍は病院行きだっただろう。

とりあえず早苗を落ち着かせることにした 本当に彼女は切れやすいなぁと龍は再認識した。

次はもっと怒らせないような言い方しよう・・と。 「じゃあ 早苗も落ち着いたところだし そろそろ魔法街にいこっか」

そういって4人は正門の近くの鏡の前にたった

「え・・?ここから入るの!?」

龍がビックリした表情をしていた。

その間にもどんどん生徒達は鏡に溶け込むかのように入っていく。

もしかしたらこの感じは 駅の自動販売機と同じものなのかと・・。

「ほら 早くいこ!」

「早くいかないといい商品はなくなるって先生いってたしな」

「俺こういうの苦手なんだよなぁ・・」

しぶしぶ言いながらも龍は鏡の中にはいった 辺りはまっくらで自分の位置確認もできない。

そんな暗闇が10秒くらい続いた時に 急に光があたりを照らしているのがわかった。

光は結構強く龍は思わず目をつぶってしまった。

再び目を開けると 何故か雑貨屋の店内の中にいた

外の看板には 【魔法雑貨屋+α】と描かれている あたりをキョロキョロ見渡すと店長と思われる人と目が合った。

「おや・・? 君は確か・・早川家の息子の 龍君かね?」

「え・・? そうですけど なんで俺の名前を知っているんですか?」

「それはここの店は早川家御用達の店だからね お父さんもたまにここにくるよ」

「え? お父さんが!? 今何処にいるかわかりますか?」

龍に質問された店長は困った顔で言う。

「それが ここ最近きていないんだよ どうしちゃったんだろうねぇ・・・」

そうですか と龍がしょんぼりしていると 後から思いっきり頭を何者かに叩かれた 多分あいつだろう。

いや・・あいつぐらいしかいない そう 早苗だ。

「龍 すっごいじゃな〜い 御用達の店なんて・・あんたの家金持ちなのね じゃぁ安くしてくれる?」

「これはこれは 龍のお友達かね?」

「そうです! 早苗って言います!!」

早苗の強烈な存在感なのか 後に健一と里奈がいるのに全く気づかなかった。

そして二人が自己紹介しようとしたのに 早苗が勝手に紹介する。

「えっとね こっちが健一で そしてあたしの一番のお友達の里奈」

二人は礼儀正しくお辞儀をした 早苗とは違ってしっかり教育されているようだ。

「じゃぁ 今日は龍君の顔もみれたことだし 全品半額にしてあげるよ」

「本当にいいんですか!?」

龍が驚いた表情でいう。

「もちろんだとも 何せこの店は 早川家御用達だからね」

それを聞いて4人はそれぞれほしい物を探した 学校で指定された ローブ・杖・教科書・羽ペンなどを買った。

4人が店を出た時に店長が龍を呼び止めた

「皆ちょっと先行っててくれない?」

「あ・・うん 龍君また学校でね」

そういって里奈が手を振る。

「早く戻って来なさいよ 時間決まってるんだからね」

と早苗が憎たらしくいう あいつはこんな言い方しかできないのか もっとましなことをいえないのだろうか。

「龍 あと1時間でゲートが閉まるから 時間考えてね」

やっぱり健一が一番頼りになると思った。 持つべきは友達だなぁと・・。

「わかった ありがとう健一」

3人と別れて 再び龍は店の中に入った。 「龍君 君に渡したい物があるんだ」

「渡したい物・・?何ですか?」

興味深そうに龍が答える。 店長が奥からもってきたのは杖だった でも普通の杖ではなさそうな感じが龍には感じた。

「杖ですか・・?」

「そう この杖は普通のとは違って 魔石の成分は含まれているんだよ その分魔法効果が向上する代物さ」

そして店長はポケットから封筒を取り出した それを龍に渡した

「これは 龍君のお父さんから預かったものだよ 君がここに来たら渡してくれって言われたからね」

龍は封筒の中を開けると 手紙が入っていた。

――― 龍へ ―――

アルケノス魔法学校 入学おめでとう

今までずっと魔法使いというのを黙っていて申し訳ない

今父さんは仕事で忙しくで龍に会えそうにない

あと最近不可解な事件が起きているから注意するように

最後なったが この杖は入学祝いだ 大切に使ってくれ

――― 父さんより ―――

読み終わった瞬間に 手紙は急に燃え出して跡形もなく消えてしまった。

「じゃ そろそろおじさんは買出しにいってくるから」

「あ・・ありがとうございました また来ます!」

「ふむ いつでも来ていいぞ!」

店長と別れて 店の外にでて時計台の時間を確認した まだ30分くらいに残っていた。

ぶらぶらと通りを歩いていると 野次馬が出来ているのがわかる。

その最後尾には 里奈・早苗・健一がいる とりあえず3人の所へ駆け寄った。

「どうしたんだ? 何があったんだ?」

「あ・・龍君・・・これ・・」

いつもとは感じが違う里奈を見て ちょっとしたことではないのが伺える。

ぎゃーぎゃーうるさい 早苗も黙っていた その視線の先には一人の男がうずくまっていた。

「健一どうなってるんだ? あの男の人に何かあったのか?」

「龍・・あの人の手の甲を見て」

そう言われて 男の手の甲をみると なんとアスタリスクの印が記してあった。

「これってもしかして 早苗が見せてくれた 雑誌の・・」

すると急に男は 狂いだした もがき苦しんでいるのがわかる。

「助けてー 殺される・・・嫌だ・・・嫌だーーー!!」

その瞬間 男の体が炎に包まれた 誰かが魔法をとなえたのか でも呪文なんか一言も聞こえなかった。

魔法街はパニックになり 人たちは逃げ回った 一気に魔法街は静かになった。

龍達も早く学校に戻ろうとした時 炎に包まれた男が4人に向かってこう言った。

「魔法界はもうすぐ あの方によって支配される・・・」

ニヤリと男が笑った

「支配・・? あのお方って誰のこと?」

龍が聞こうとした時 男の体から突然おびただしい血が吹き出し息絶えてしまった。

それを見て里奈と早苗は悲鳴をあげた。

すると黒いローブを全体にまとった人が数人現れて その一人が呪文を唱えた。



「ダーク・ホール こいつらを飲み込め」

龍は変な感覚を覚えた なんだか足場が不安定に感じた。

「みんな逃げろ!!」

龍が3人に向けて言ったが遅かった

既に龍達の足元には大きな穴が空いており 4人は穴の中へと落ちていった。

2style.net