* 第2章  しゃべるカエル *
ケロ助と同じ家 さらには同じ部屋に住むことになった龍は いつもよりまして憂鬱だった

母の勝手な行動によって 一人の少年は途方に暮れていた

水槽にはこの前わざわざ ホームセンターまでいって買ってきた手に握れるくらいの石が敷き詰められていた

水は石が浸るくらいはいっている だがケロ助は水槽の中にはいなかった

「うーん・・・」

うなされるかのように龍は起き上がった 同時に むにゅっ という音が枕もとでした

「えっ? なんだ今の音」

首をかしげながら枕もとをみると なんと きもいカエル ケロ助がいたのだ

「うわああぁぁぁぁぁっっっ!!」

龍はびっくりして飛び上がると 同時にケロ助も飛び上がった

「あー痛かったケロ」

「え? 今なんていった?」

「だから痛かったケロ」

「うわぁぁぁぁあああ!! か・・カエルがしゃべった!!」

龍は驚きのあまりとさっきよりも高く飛び上がった その声を聞いた母が急いで2階に駆けつけた

「ど・・どうしたの!?」

「か・・母さん・・か・・カエルがしゃべったんだよ!!」

「そんなのあるわけないじゃない」

母はあきれた顔で龍にいった

「だって・・だって」

龍はしどろもどろになりながら言った するとケロ助が言った

「母者脅かしてすまないケロ」

「・・・・・。」

龍以上に驚いた母は失神して倒れそうになったが ケロ助が俊敏な速さで枕を取り出してクッションになった

「演技するのも疲れるケロね」

ケロ助は浅いため息をついた

龍も同時にため息をついた まさかカエルがしゃべるなんて・・・と だが現実を受け入れるしかなかった

やっと冷静さをとりもどして、疑問に思っていたことをケロ助にたずねた

「お前 どうしてしゃべれるんだ? もしかしてサーカス団とかに入ってたとか?」

「それは違うケロ ご主人様の魔法のおかげでしゃべれるんだケロ」

「魔法ね・・・。 魔法ってあのFFみたいな奴? あるわけないでしょ 冗談きついなぁ」

ケロ助はむっとした表情をした そして指輪がほのかに光るのがわかった

「信じないケロか? じゃぁ見せてあげるケロ」

すると指輪の光が赤色に変わり 部屋全体を包んだ

「攻撃呪文 オル・ボルス!」



するとたちまち 炎がたちこめた と思ったらすぐに消えて今度は煙が部屋全体を包んでしまった

「ゴホッ ゴホッ あれれ?失敗したかケロ? どうしてなんだケロ?」

「俺をだましやがって 魔法なんかこの世に存在しねんだよ!!!」

ぶちぎれた龍はケロ助に飛び膝蹴りを食らわせたはずだったが ケロ助の反射神経で見事にかわされた

「龍は弱いケロ そんなのじゃ里奈の心は射止めないケロ」

「わかったこというんじゃねー!!」

がこれ以上怒っても龍に勝ち目はないことは分かっていた カエルと人間 不等号であらわすと

どうみても ケロ助>龍 だった

とりあえず窓を開けると 外には 沢田 里奈 の姿があった

「龍君!? 大丈夫なの? もしかして火事? 消防車呼んだほうがいいのかな・・。」

「だ、大丈夫だよ!」

龍は急いで制服に着替えて 急いで里奈のもとへ向かった

「お、おまたせ」

「あの煙一体なんだったの? あと頭にいるかわいいカエルちゃんは・・?」

そういわれてみるとすこし頭が重いことに気づいた龍は両手で頭上を触ってみた すると ムニュ という感触がした

「この感触まさか!!」

それは紛れもなく ケロ助であった

「ど、ど、どうしてお前がいるんだよ」

驚きを隠せない龍は慌てて ケロ助をバッグの中に無理やり押し込んだ

「かわいいカエルのぬいぐるみだね 龍君はそういうのが好きなのかな?」

「あーこれはちょっとね アハハハ それより早くしないと学校に遅刻しちゃうし」

龍は足早に通学路を歩いた それに追いつこうと里奈の足も速まった

いつもならこの時間に出て行けば遅刻だったのだが 足早に進んだおかげで遅刻せずにすんだのであった

学校に着くと 朝は晴れていたのに次第に曇り初め 給食の時間になると雨が降り始めた

「あー雨かー めんどくさいな」

朝バッグに無理やり入れたケロ助のことを思い出し 中身を取り出してみたが中にはいなかった

「あれ? ファスナーもしたはずなのにな」

「龍君どうかしたの?」

「いや別に・・・。」

めんどうに思った龍は別に気にもしなかった むしろいないほうがうれしかったのだ

5時間目が始まり いつもならさぼるところだが 家に帰ってもやることがなかったため寝ることにした

雨の勢いはまして 一匹のカエルの鳴き声が聞こえはじめた

「まさか ケロ助じゃないよな・・。」

それに過敏に反応した龍は起きた 辺りを見回してケロ助がいないことを確認するとまた眠り始めた

次に目を覚ましたのは 6時間目の終わりごろだった

外はもう雨がやみ晴れていて 心地よい風が吹いていた

「あ、雨やんだのか」

龍はむくっと起き上がった同時に6時間目の終了のチャイムがなった

掃除はもちろんさぼり 部活もさぼり 下駄箱にいこうとした時に 里奈とすれ違った

いつもの様子とはえらく違っていて 重々しい感じがした

声をかけようと思ったがそんな感じでもなく見て見ぬ振りをしようとした

「まーいっか 別に俺のことじゃないし 里奈ならすぐに元気を取り戻すだろうし」

靴をはいていこうとしたときに こちらに向かって歩いてくる2人組の女子生徒の話が聞こえた

「沢田さんもかわいそうだよね よりによってあの 黒川 彰 に目をつけられるとはね」

「ほんとかわいそう〜」

黒川 彰 中学3年生でこの学校のボス的存在である

体格は大きく ボクシングもやっているという

さらに平気でたばこを吸い 私服で学校にもきてるくらいだ こんな行為をしていれば間違いなく停学なのだが

親がPTAの会長のため 先生もなにも言えないのが現状だった

そんな 不良のボスになぜ 里奈がかかわっているのか 龍は不思議に思った

「あの ちょっといいかな? なんで沢田は黒川に目をつけられたんだ?」

「沢田さんが 友達と一緒に鬼ごっこをしている時にちょうど あの不良軍団がきて思いっきりぶつかったみたいなの」

「そうそう 授業が終わったら 学校の屋上にこい って言われてたわ ほんと沢田さん可哀想だったわ」

そういって女子生徒二人は龍の跡をさった

「そうだったのか 里奈にそんなことが・・。でも相手は黒川 彰だし・・」

すると突然ケロ助の声が聞こえた

「このまま里奈をほっといていいかケロ?」

「その声は ケロ助!?」

だが姿はどこにもなかった そして頭が微妙に重かった

「人の頭の上に座るなよ!」

話題を変えようと龍は切り出した しかしケロ助には通用しなかった

「龍 お前逃げるケロか? 里奈のことが心配じゃないかケロ?」

「そりゃ心配に決まってるだろ! けど相手はあの黒川だし・・無理だよ俺には」

「朝の勢いは何処にいったかケロ? お前はそんなんでいいのかケロ?? これからもそうやって逃げ続けるのかケロ?」

「うるせんだよ! いちいち分かった口調で言うな でも俺には無理なんだよ そこまでいうならお前がいけばいいだろ!!」

「龍、見損なったケロ もういいケロ 自分で助けにいくケロ」

ピョンピョン とケロ助は屋上の方向に向かっていった

「お、おい! 待てよ」

このまま帰ろうとした龍だが やっぱり1人と1匹のことが心配になった

「様子を見にいくだけならいいよな・・うん」

龍は屋上に向かっていった 屋上の扉の向こうから声が聞こえた

『あたしは別にわざとぶつかったわけじゃないの』

『うるせぇんだよぉ!! この糞女がボコしてやるよ!!』

さすがの龍もやばいと思いドアノブを引こうとした その時だった

右腕には包帯がぐるぐる巻き 左手には紅色の指輪 顔には傷 そう ケロ助が黒川にパンチを食らわせている瞬間だった

『ケロロパーンチ!!』

『グ八ッ!』

ケロ助のパンチは思いっきり黒川にヒットしていた が並の人間ではない黒川にはあまり効いていなかった

『このカエルが!!! ぶっ殺してやるよ!!!!』

こんどは黒川のパンチがケロ助にヒットした あのスピードならケロ助なら余裕で避けれたはずなのに と扉の向こうで龍は思った

『あ・・朝 龍君の頭の上にいたカエルちゃん・・・。もしかしてあたしを助けてくれてるの?』

『大丈夫 もうすぐ龍が助けにくるからもう少し辛抱するケロ』

『あれれ・・? なんでカエルちゃんがしゃべれるのか・・な・・?・・・・。』

里奈はその場に倒れこんでしまった いわゆる失神である

『カエルがしゃべる まーそんなことはどうでもいい 俺は今お前を殺さなきゃ気がすまねぇんだからよぉ!!』

今度はキックでケロ助を蹴り上げた そしてかかと落しでケロ助をねじふせた

「どうしてケロ助・・・あいつ朝とても強かったのに・・・。 どうしてなんだ?」

龍のココロの中に罪悪感が芽生えはじめた でも今自分が出て行ってもどうせ負けるに違いないと思っていた

でも体が自然にドアノブを引いていた

「お、おぃ! く、黒川彰!! やめるんだ!」

龍はおどおどしながら 黒川に言い放った

「俺は 2年A組の早川 龍だ!!」

緊張のあまり龍は意味もなくへんなことまでいってしまった

「お前が このカエルが言っていた 龍 ってやつか お前に何ができる? どうせ俺には勝てないだろ?」

黒川の言っていることは真実だった どうせ今飛び掛っても駄目に決まっていた でも今はそんなことを考えている余地はなかった

黒川の足元からもぞもぞとケロ助が出てきた 自分の体についた汚れを手で払うとニヤッとした表情で言った

「龍! お前ならできるケロ 自分の力を信じるケロ!!」

「ケロ助・・・うん 俺やってみるよ」

龍は手に力をこめると 思いっきり黒川に向けてパンチを繰り出した

「返り討ちにしてやるよ 早川龍さんよぉぉ!!!」

「補助魔法 スト・マトル」

ケロ助は小さく唱えた 指輪から普通の人間には見えないほどの煙が黒川を包んだ

黒川は龍よりも早く パンチを繰り出しているはずだった しかし体が動かなかった

「何故だ? どうして体が・・?」

そして龍のパンチは思いっきり黒川のほおにヒットした 黒川はコンクリートに頭をぶつけて意識を失ってしまった

「あ・・俺・・・黒川に勝ったのか?」

「そうだケロ やればできるじゃないかケロ」

「それより里奈は? 里奈は大丈夫なのか?」

急いで龍は里奈の元へ駆け寄った 外傷はなく気絶しているだけだった

とりあえずおんぶして里奈の家に向かっている時に里奈は目を覚まして言った

「あれれ? あたし何してたんだっけ・・? そうそうあの不良の黒川って奴に呼ばれて そしたらカエルちゃんが助けてくれて」

「お、里奈起きたのか」

うーんと悩みながら里奈は今日の出来事を必死に思い出していた

そして龍におんぶされているのに気づいた時にはもう 家についていた

「あ 龍君・・・ありがとね」

恥ずかしそうに里奈はいった

「お、おう・・また明日な」

恥ずかしそうに龍もそれに答えた

この日から龍に対する接し方が変わったのは確かだ あの黒川 彰を倒してしまったからだ

いつもならシカトしてくる奴らもこっちから話かける前にあっちから話かけてきたり いろいろ変わっていた

一方黒川はよほどショックだったのか 学校を今も尚休んでいるそうだ

そんな何の変哲もない日が続いていた時に 一通の手紙が早川家の郵便ポスト中に入っていた

紫色の手紙で右下には アルケノス魔法学校 と白い文字で書かれていて 裏面には 早川龍様 と書かれていた

そんなことも知らない龍はベッドの中で寝ていた(学校をさぼって

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