「EXPO 'XX」
愛地球子
 ぼくはこの前、パパとママと三人で万博に行きました。隣町のたーくんが、歴史館が一番おもしろかったと言っていたので、ぼくもまっ先に歴史館に入りました。
 館内にはたくさんの展示があります。ぼくは、年代を追ってひとつひとつ見ていきました。十九世紀から二十三世紀ごろの道具を復元した展示が、使い方はわからないけれど楽しかったです。その中でも特に目を引いたのが、「トヨタ 自動車 (日本) 二十世紀後半」という看板がかけられた、岩のような固まりでした。
「日本という小さな島国が作っていたトヨタの化石だよ。ずっと昔、僕らの祖先はこんな道具を使って移動していたそうだよ」
 パパが説明を見ながら教えてくれました。その横で、ママが首を傾げます。
「小さな島国なら、こんなに重そうな道具を動かすより、自力で動き回ったほうが楽なんじゃないかしら」
「二十世紀の人類には、僕らのような力はなかったのさ。こんな道具に頼らなければ、移動するのも一苦労だったんだろうね」
「うわあ、原始的だね!」
 その後もいろいろな展示を見ましたが、やっぱり歴史館が一番おもしろかったです。でも帰るときになって、わざわざ化石を掘り出して昔のことを調べることに何の意味があるのだろうと不思議になって、聞きました。
「どうして歴史を研究する人がいるの?」
 すると、ママがこう教えてくれたのです。
「それはね、歴史は繰り返すものだと言われているからよ」
「えー!?」
 ぼくは、歴史館で見た壁画を思い出しました。そこには、掘り起こされた化石から想像したぼくたちの祖先にあたる人類の姿が描かれていました。手足は細長く、頭部も小さくて、確かにぼくたちのような力を持っているとはとても思えない姿だったのです。
「歴史が繰り返すってことは、ぼくたちもあんな風にひょろっとした弱そうな生物になるの? そんなのいやだなあ」
 ぼくは泣きそうになりました。でも、パパがぼくの頭を撫でて、笑います。
「大丈夫。歴史が繰り返すには何十万年もかかるんだよ。せっかくこんなにたくましく進化したんだ、あんなにひ弱な人類になったら、パパだってたまらないよ」
「まったく、二人ともくだらないこと言ってないで、そろそろ帰りますよ」
 人類よりもずっと筋力と体力をつけたぼくたちは、自動車のような道具を使わなくても自分の力で帰ることができます。
「パパ、帰り道でおいしいものを狩ってね」
「ハハハ、食いしん坊だなあ。おまえにも、そろそろ狩りを教えてやらないとな」
 長い長い年月を経てこんなに進化したなんてすごいなあと思いながら、ぼくたちは五昼夜ほどの道のりを歩いて帰りました。
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□名無しさんからの批評 (2005/04/18 20:46) フォント
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時事ネタ小説ってところがポイント高いですね。
突っ込みどころ満載ですけど、そこがまたいい感じです。

惜しむらくは、進化後の人類の描写が少なめで、イメージがわきにくいところでしょうか?
□名無しさんからの批評 (2005/04/19 14:30) フォント
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 虚構の世界に現実をすり合わせる想像力、洞察力にとぼしい。なぜ人間は発掘をし、昔のことを知る必要があるのか。それは記録がのこっていないからだ。
 室町時代以降のものが「発掘」されたというニュースを聞いたことありますか?そのころには人間はすでに記録するというすべを手に入れていたのです。
 いわんや、現代はありとあらゆるものを記録することができる。記録をしている。

 ……と、ここまでかいてふとおもった。もっと、何十万年も先の話をかかれているのだとしたら私の批評はお門違いだ。〜〜世紀といっているからには人類が完全に滅亡したわけではないだろうし。
 時代背景の説明が乏しすぎるため、なんともいえない作品でした。
 そこがこの作品の最大の悪い点です。

 以上。
□辛口侍Rさんからの批評 (2005/04/19 16:23) フォント
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ん? 「人類よりも」って、人類でしょ? もしかして人類よりさらに進化した種類で、何かが違うのかな。結局姿形のイメージがつかなかった。原始人みたいになった人類だと想像しましたが……。ん〜、全体的に、ガッテンがいかない話だった。
□名無しさんからの批評 (2005/04/20 08:35) フォント
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EXPOを訪れた人類よりさらに進化した家族という設定が子どもの作文風に書かれていて、面白いと思いました。自動車を使わなくても徒歩で長距離を移動できたり、おいしいものを「買う」のではなく「狩る」ことができるなんて、どんな姿をしているのだろうと想像が膨らみました。
□名無しさんからの批評 (2005/04/20 08:40) フォント
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上記の感想を書きましたが、
すみません。
改行を忘れました。
□名無しさんからの批評 (2005/04/20 08:47) フォント
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今の時代は自分たちが見る側なのに、この作品では見られる側になっているのですね。発想、面白かったです。
今は物に頼っていますが、逆に原始的に進化したようですね。その発想も良いと思います。しかし、想像は膨らみませんでした。膨らませようと思えば出来なくもないですが、それにしても描写が乏しすぎる。読者に頼りすぎです。
□名無しさんからの批評 (2005/04/20 21:01) フォント
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時事ネタに挑戦できるフットワークの軽さ、羨ましい。
狩り、徒歩、「歴史は繰り返す」の言葉から、人類が原始に返った話と読んだがどうだろう。どんな理由でそんな進化を遂げるのかは解らないが。
一見ホノボノだが、子供の作文風に仕上げることで、設定の甘さをごまかしているようにも見えなくない。
□名無しさんからの批評 (2005/04/21 09:14) フォント
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驚きがなかった。

もっと現代の悪口を書けば良かったのに。車なら、便利な道具だったんだけどめちゃめちゃ人が轢かれて死ぬ人が増えたとか。
SFの面白いところは現代に対して客観的になれるところなのだから。
□緑の5本指さんからの批評 (2005/04/29 22:01) フォント
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うほほー。「五昼夜ほどの道のりを歩いて帰りました」って、自動車使えばいいジャンー。どんな強がりやねん!
身体ばっかでかくなって、今と変わらず万博なんてやってる未来人にがっかりやわー。もっと進歩せーよー。そこが想像の限界。
□名無しさんからの批評 (2005/05/04 02:12) フォント
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 いやー、おもろかったです。普通に考えたらありえない進化の仕方に、思わず笑ってもらいました。

 車に乗るのは時間を短縮するためであり、疲れるからとかいう理由は二の次ではないかと。
 てか、↑の方と同意見、五昼夜も歩くなら車か電車で帰れや(笑
□名無しさんからの批評 (2005/05/04 19:38) フォント
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進化人類の話はいいとしてもちょっとその凄さや現代との差が判り辛かった。
ほぼ最初からネタをばらしてしまって、驚きが少ない。
□名無しさんからの批評 (2005/05/11 15:40) フォント
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どの時代もいまが一番だと思っているっていうのが露骨に表れていて、面白かった。
現在を皮肉っているなら弱い。未来への表現も、弱い。
全体的に物足りないかな。
□名無しさんからの批評 (2005/05/13 15:07) フォント
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 SFショートショートなのかな。なかなか楽しめました。
 難をいえば、小学生の作文として書くならばもう少し言葉に気を遣うべきでは。「五昼夜」みたいな単語は出てこないでしょう。
□名無しさんからの批評 (2005/05/13 20:44) フォント
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時事小話、以上のものを感じなかった。うーん。残念。
一見逆行するような進化、というのは面白いのだが、どこまで書ききるかに迷いがあったのでは。現代文明の批判としてもいまいち、ユーモアとしても突き抜け感が薄い。
もっとはっちゃけても良いと思う
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