「発車寸前」
Z
「んはっ、あっ、あああああう」
 彼女はイク時、いつもふるふると細かく身体を振動させて、大音量で悦びを訴える。その時に限っては、下品な声を出すほど松浦が喜ぶのを知っているからだ。もっとも、松浦はその声が演技かどうかなど簡単に見抜いてしまうから、彼女はただ素直に身体を預け、快楽に溺れているだけなのだが。

 松浦は四十を過ぎてなお独身を貫いていた。本気で結婚を迫ってきた女もいないわけではなかった。ただ、どの女も自我と依存心が強すぎて辟易した。独身貴族のほうが気が楽だ。松浦はいつまでも自由でいたかったのだ。
 そんな松浦が彼女を見初めたのは、三年前。当時、彼女は地味で何の取り柄もなく、誰かに身体を開いたことなどなかった。
 その純潔さゆえに、今や彼女はすっかり染めあげられた。見た目も、立ち居振る舞いも、知性も、その時の技も、すべて松浦好みになって、まるでマイ・フェア・レディだ。
 彼女は、今の自分があるのは松浦のおかげだと感謝している。しかし、それとは別に最近思うのだ。いい女に生まれ変わったのに、自分は松浦しか知らない身体で一生を終えるのか、もっと多彩な悦びをこの身体に焼き付けることができるのではないか、と。
 だからといって従順な彼女が浮気をしようと思うはずもなかったのだが、それすら松浦にはお見通しのことだったのかもしれない。

 ある日、松浦は豊崎という若い男を彼女のもとに連れてきた。豊崎は彼女を舐め回すように見つめると、やがて女らしく美しい曲線を持つ身体に優しく触れ、美貌を褒めた。松浦はその横で淫靡な微笑を浮かべて、言う。
「最高だろ? 今だけ好きにしていいぞ」
 松浦に見られながらするのだろうかと、彼女は少し戸惑う。が、願いが叶うことへの期待が上回り、豊崎にされるままになる。
 いつもと違う指で触れられるだけで、身体はびくんと反応した。松浦の視姦も、今はより大きな快感の呼び水に過ぎない。
「ん……っふ」
 彼女の大切なところが掻き回され、空気はすっかり熱を帯びる。豊崎は早くも彼女の奥深いところへの到達を試みようとしていた。
 あっ、ダメ。そこに届いたら、きっとすぐにイッてしまう。と、彼女が思った瞬間。
「だめだ、豊崎。代われ」
「なんっスか、いいところなのに」
「他の奴がオレの愛車を運転するなんて、やっぱりオレには耐えられないよ」
 そう言って笑うと、松浦はいつもの形で彼女に入ってきた。
「んんんんっ、あ、うああっ」
 余計なことを考えず、今後も松浦だけのフェアレディであり続けることこそが自分の幸せなのだと再確認しながら、彼女は悦びにうち震えた。
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□名無しさんからの批評 (2005/04/18 21:01) フォント
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フェアレディーZ、私は好きです(まるでゴーン社長だ(笑))。
ちょっと松浦最後のセリフが説明的過ぎるけど、ま、しょうがないんでしょうか? 説明的過ぎるうえに、全体通してもわかりにくいんじゃ?? と思ったりも。

車名がでてきた話の中では、唯一「その車」である必要があったけど、小説のデキとしては、はっきり言っていまいち。
その発想をもう少しうまく乗り回してほしかったです。
□辛口侍Rさんからの批評 (2005/04/19 16:34) フォント
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中学の時流行ってたようなネタの類なんで、個人的には、どうも……。セミトリとか文房具でのとか耳かきのとかバイクとか、あと忘れたけどその他いろいろ……。

オチがわかってから読み返してみて納得いかないといけないけど、ちょっと強引かな。
□名無しさんからの批評 (2005/04/22 08:28) フォント
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物足りない。

もっとフェティッシュだったら良かったのに。仮にも女性のように車を扱うのだから、もっと丁寧に、意外性を持って、劇的な展開にしたら良かったのに。これじゃ車は賛美できていないでしょ。

もしこれが、彼女が車であることを隠し通して、最後で「ハイこうでした」と解き明かすオチものならあまり面白くないです。
□名無しさんからの批評 (2005/04/23 10:51) フォント
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趣味の悪い話ですがタイトルと車のテーマをユーモラスに書けていて、面白いというより失笑しいよくで来た作品だと思います。潔癖な女性が読んだら、女性を馬鹿にしているのかと罵声が聴こえてきそうですが(笑)
しかし本当に悪趣味ですね。
□名無しさんからの批評 (2005/04/25 10:37) フォント
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個人的に好きな話ではありませんが、テーマの使い方の上手さや技術があると思いました。
□名無しさんからの批評 (2005/04/26 12:33) フォント
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 ああ,フェアレディZか。あの車は好きだけどこの話は嫌い。
 中途半端すぎる。この話の主題はエロスだと思うのだが,そのエロスが中途半端だ。読み返したときにこの文章で興奮できますか?エロを書く以上は読み返したときに,作者自らが,男なら勃起をし,女なら股を濡らすほどのエロスでないとただの中途半端である。
 そもそも描写が中途半端なのだ。官能小説ないし,エロゲーの一本や二本でも読んで勉強しなおしてほしい。

以上。
□緑の5本指さんからの批評 (2005/04/30 20:59) フォント
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勃起した
□名無しさんからの批評 (2005/05/05 17:16) フォント
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比喩は良くあるもので目新しさを感じません。
人物の登場も急すぎていまいち存在意義がわかりませんでした。
松浦がいきなり豊崎を連れてくるというところが特に。
それほどエロティックなわけでもないし、ただ彼女を車に喩えてその内面を書き記したかったのだとしたら少々表現が淡白すぎる気がします。
□名無しさんからの批評 (2005/05/09 13:30) フォント
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白状すると、ちょっと濡れました。
「マイフェアレディ」と「フェアレディZ」をかけた上に、「彼女」が人間なのか車なのか最後まで名言しないというのは、ちょっとややこしいというか、欲張りすぎな気もします。それでも、文章は上手いし技があるので、すんなり読めちゃうんですが。
たぶんもっと書ける人なのではないかと思います。あまり奇を衒わないほうが良いのではないでしょうか。
□名無しさんからの批評 (2005/05/13 16:03) フォント
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 これは評価分かれるだろうなあ。私は面白かったです。擬人化モノっていうジャンルなのでしょうか。完成度はそれなりに高かったと思います。
□名無しさんからの批評 (2005/05/13 21:48) フォント
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なんつーか。なんつーか。
お定まりの、という域をでていない感じ。この手の擬人化はありふれているので、どエロにするなり、上手くノスタルジーとかフェティッシュに繋げて変態性を貫くなりしないと面白みを感じられない。
あと、擬人化ネタで落とすには一段落目からの描写が人に寄りすぎていて、少々下品に感じてしまう。松浦がそう感じていて、その変態性が描写されたりすれば違った面白みがでてくるかな。
豊崎の扱いと、最後の段落がフェアレディ視点なのが微妙に気になる。
□ヤリマンさんからの批評 (2005/05/13 23:25) フォント
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いきなりですが、ちょっと文章が変なのと、登場人物の視点の切り替わりがおかしいですよ。

文章が変なところ=「もっとも〜なのだが」

真ん中のパラグラフで、突然松浦の視点から彼女の視点に変わってしまう。
これは唐突。いくらweb小説とはいえ基本は守るべき。

それから文章がエロくない。テキトーにピンク小説からつまみ食いみしたみたいな。
言葉を選んでみてはいかがですか?
もっとエロくて面白いのにしましょうよ。
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