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「戀歌」
恩田あい
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月の心の言うことにゃ 愛し愛し ああ 逢いたや いと糸の夢や 愛し愛し ああ 心の文(よ
糸雨(が降る。笹の葉が涼やかな音をたてている。嫦娥(は簾(に手をかけ、表の様子をうかがった。そっと歌ったのは、彼の人への思い。今夜も月は出ないのだろう。ため息が出る。彼の人には今夜も逢えない。ああ、逢いたい。 「月の在る晩に、逢いましょう」 そう、約束したのはいつだったか。もう随分と長いこと、月を見ていない気がする。机の上にあった暦を手に取った。最後に逢ったのは、三日前。 「こんなにも愛しいと言うのに」 まだ三日しか経っていないのか。考えると眩暈がしそうだ。こうして外を見ながら、思いを歌に認(めることしかできないなんて。もしこの雨が、あと一月でも続いてしまったら、一体私はどうなってしまうのでしょう。嫦娥は再びため息をつくと、寒々と冷えた窓を離れた。 月がわずかにでも見えれば、彼の人に逢えるのに。ああ、逢いたい。 今一度、心の中で強く思った時だ。窓の外が明るくなった。慌てて窓の外に走り寄ると見紛(うこと無き、満月が空を昇っている。 ああ、お逢いできるだろうか。 張り裂けそうになる心を胸に、嫦娥は表へと身を乗り出した。まだ濡れた道を、誰かがこちらへと向かってくる足音がする。きっと彼の人に違いない。そう思うと胸は高鳴り、頬は熱く、まるで己とは思えないほどの緊張。嫦娥は顔をあげることが出来ず、足音が近づくにつれ、視線が道へと下がる。 「なぜ、顔を見せてはくださらないのですか」 視線の先に、見知った足を見だし、嫦娥の心音はこれ以上ないという速さで動き出した。 「顔を、あげて。嫦娥、あなたの美しい顔を、私に見せてください」 切なげな声で囁(かれ、嫦娥はたまらず顔をあげた。愛しい人。優しく穏やかに微笑んだ、その顔を見た瞬間。
――願いは、叶えたまうぞ。
知らぬ声が、耳に響いた。嫦娥が辺りを見渡すと、寒々とした砂地が続いている。見上げると、月のあった筈の暗い空に、青く光り輝く一つの星。
満月の夜は、嫦娥の歌が空に響く。逢いたい、逢いたいと願う歌。
月の心の言うことにゃ 糸し糸し ああ 逢いたや 愛しの夢や 糸し糸し ああ 心の言(よ |
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| □名無しさんからの批評 (2004/10/15 20:54) |
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| 幻想的な雰囲気の文章でした。古典のような雰囲気が特徴的だなと思いました。最後がどうなったのか自分にはわかりずらかったのですが。たぶん私の読解能力が低いせいなんでしょう。 |
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| □名無しさんからの批評 (2004/10/16 14:22) |
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やりたいことはなんとなくわかるけど、話はよくわかりませんでした。 雰囲気で読んでいくには勢いが弱いし、納得させられる話ではない。 はじめと終わりを歌で(文字入れ替えの)。という効果を出すには、やはり中身に納得できなくても読み終わらせる勢いか、納得できるだけの中身が必要だと思います。 言い回し(表現)に気を取られて、話がボケている気がしました。 |
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| □名無しさんからの批評 (2004/10/16 18:21) |
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ああ、なるほど。「戀」という字を分解してるんですね。嫦娥っていうのは、中国の伝説に出てくる月に住むという女性のことですよね。最後は月にワープされちゃったのかな。ぼやかしてあるのが、彼女の混乱と同じようで良いと思いますが。 ただ、これはかなり読者を選ぶかなと思います。文章もぶつ切れのところがいくつかあるし、舞台もはっきりとはわからない。ぼやけちゃってる部分がかなりあるので、それをはっきり書けば、もっと面白いかも。 それと嫦娥の伝説を使わなくても良かったかもと思ったりもします。 |
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| □匿名者さんからの批評 (2004/10/17 15:45) |
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話がまったく解らなかった。 これはかなり中国などの伝説を知らない人には意味不明としか言いようがない。 最後の部分などはさっぱり意味を読めなかったし。 なぜ、愛しい人と顔を合わせただけで別の場所に飛ばされるのでしょうか? しかも、この部分などは私の読解力不足のせいか、人の批評をみて初めて気付きました。 結局この人この後どうなったんですか? それが気に掛かりました。 |
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| □名無しさんからの批評 (2004/10/18 03:11) |
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いっそのこと文語体で書いたほうが面白い。 助詞の使い方が中途半端で作品の味が完全に消えている。よく勉強して、よくがんばっていると思うが、付け焼刃な感じであちらコチラでボロがぼろぼろでている。
勿体無い。 鯛を酒蒸しにしてみたけど失敗した。これならおとなしく刺身にすればよかったのに…… そういう印象をうけた |
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| □名無しさんからの批評 (2004/10/18 08:49) |
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読み始める前に「きた!;」と身構えてしまいましたが、意外と読みやすかったです。でも、難しい。 『窓』という言葉から「あれ?現代の話…?」とも思ったのですが違いますよね? もう少し舞台背景が分かれば、もっと読み手が想像力を膨らませられると思いました。 でも、何となく好きです。 |
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| □名無しさんからの批評 (2004/10/20 00:24) |
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文章は情緒的な感じでとてもすきなのですが、全体的に少し説明不足な気がしました。 細かいことを言うと、満月が現れたときにすぐに男が現れたのですが、近くにいたのでしょうか。 わたしも話の裏が分からなかったのでラストがどうも「?」でした。
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| □名無しさんからの批評 (2004/10/20 02:33) |
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| 筆者の持ってる世界がよ〜く(イヤと言う程に)伝わってきました。なんというか、読者の入り込む隙のない作品だと思います。こういう世界をとにかく大事にしたいならそのまま突き進めばいいし、そうではないならわたしのような人間が興味を持つ創り方、工夫、読ませ方、を見せて欲しい。ルビが多いっていうことは、それだけ筆者の「読んで欲しい」気持ちの表れなのだと思います。わたしはある程度、含みと余裕で読者に「読んで貰いたい」なぁと思うので。 |
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| □名無しさんからの批評 (2004/10/23 05:46) |
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雰囲気が良かったと思う。それが壊されるような部分があったのも残念。世界観をもって書くのはすごく難しいですよね。「窓」と「今一度、心の中で強く思った時だ。窓の外が明るくなった。」ってのが表現としてちょっと違和感。ボクの読解力では、詩の意味がよく分からないのが残念でした。 他の方の批評で理解できました。おもしろいんですが、これだけじゃ理解できないのがひじょーに残念 |
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| □辛口侍。さんからの批評 (2004/10/24 10:27) |
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私にはよくわからない作品。いやぁ、全然悪い意味ではなくて。ただ私には興味がないし、こういうのは書けない。だけどその良さはわかるし、ずっとあってほしい世界。だから、こういう作品を好きな人、書ける人が、きちんと極めていってほしいです。
物語がどうのこうのというより、詩や俳句、短歌などのように文体やその文章の表現の仕方で惹きつけるのだと思う。あと、そこに流れる叙情的な雰囲気ですか……。ちなみに、拙者は、百人一首は得意だったでござるよ。 |
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| □名無しさんからの批評 (2004/10/25 13:11) |
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テーマへのアプローチが面白い。「負けた」と思わされました。すごい。 中身は意外とスカスカだったのが残念ではあるのですが……逆に文語で丁寧に書かれたら自分には理解できなくなってしまうかも知れないので、これで良い感じです。 |
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| □名無しさんからの批評 (2004/10/28 11:03) |
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こういう雰囲気は好きです。バックグラウンドは中国の古典らしいですが、それを知らずとも雰囲気は楽しめました。
ただ、とことんその雰囲気に浸り込めないのは文体がちぐはぐなせいでしょうか。文語を習うのもたいへんでしょうが、そうでなくてもクラシカルな雰囲気にはできるかも。 難しいか。
お話がちょっと最後のところで肩透かしを食った感じです。 実際に現れたのは誰なのか? 何か物の怪なのか、夜空からの謎の声なのか。 そこんところをもうちょっと知りたいな、と一読者としては思いました。 |
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| □鰻さんからの批評 (2004/11/05 17:13) |
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私にもよく分からないジャンルなので何とも批評できない。なので素直に感想を書くとします。 なんとなく書こうとしている事は分かるのですが、少し嫦娥の心情を強調しすぎていてくどいと感じてしまいました。こういうのは雰囲気を読ませるものなのかな?んー。 私としては何とも言えないのでとりあえず評価は平均点にしときます。 |
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| □匿名さんからの批評 (2004/11/13 02:46) |
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テーマへの発想がすごいと思った。 でもなんか話がよくわからなかったし内容もあんまり濃くなかったし、もうちょっと面白い話かなって思ったけど期待がはずれました。 |
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