「呪縛」
康一
 美雪と言う名前は、12月に生まれたからと、空から舞う雪のように美しく育つようにと母親から付けられたと彼女から聞いた。母親の思いは美雪に届いたらしく、彼女は誰が見ても美しい少女だった。
それはもう、舞い落ちる雪のように。

 僕らのかやっていた高校で一番美しい美雪と、何の変哲も無い普通の男子である僕が付き合っていたと言うのはある意味奇跡に近かった。美雪は常に大胆な行動で僕を惑わした。
そのせいか、恋愛というものになれていない僕は、少し早すぎた相手だったんではないだろうか。
 付き合い始めた年の十一月。初めて美雪の家に行った。彼女の父親と兄は、働きに出ている上に、彼女の母親は彼女を産んですぐに亡くなってしまったので、家には僕ら2人っきりだった。彼女の部屋で興奮しきった僕は、当然のように彼女と性交した。しかし、運悪く彼女の兄が仕事から帰ってきてしまい、僕らは無理やり引き離され、怒鳴り散らされた。臆病な僕は、もう彼女の家に行く事は無くなり、彼女との性的な接触は無くなってしまった。

 美雪と付き合って三年目になった十二月。彼女が妊娠した。僕は信じられなかった。僕が彼女と性交したのは三年前、もちろん美雪のお腹にいる子供が、僕の子供であるわけが無かった。僕は失望し、中絶を頼んだ。じゃないと彼女を信じられなかった。
 ある日、彼女が行方不明になった。僕は彼女の父親や兄に殴られたりしながらも、必死に彼女を探した、そして、彼女の誕生日に、彼女からメールが届いた。僕は駅前のビルの屋上へと走った。そこに美雪がいる。美雪が。
ビルの屋上で、微笑みながら美雪は立っていた。布に来るんだ何かを抱えながら。ぽつぽつと降る雪が、彼女を一層際立てた。彼女は、さよなら、ありがとう。と短く呟き、抱えていたものを足元に置いた。
 彼女が消えた。僕は柵に近づき、下を見た。白い雪の上に、笑みを浮かべた彼女と、鮮血。
美雪は死ぬ直前まで、雪のように美しかった。
おぎゃあ、僕の足元で声が響く。抱きかかえ、ほっぺたをくすぐる。
赤ん坊の胸の辺りに手紙が挟まれていた。ただ二文字、「小雪」と。
呪縛。これはきっと、彼女の体に触れた僕への呪い。僕に残された呪縛。
「よーし、よし」
僕は小雪に話しかけた。
雪は降り続ける。
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□名無しさんからの批評 (2004/01/10 20:51) フォント
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映画のプロローグを眺めているようで、どきどきしました。

何が惜しいかと申しますと、美雪の人間性が伝わって来ない点です。極めて美女なのはよく分かりますが、父兄に恋人を引き離された時、恋人との間でない子を身篭った時など、彼女の様子や言葉がもうニ箇所でも語られたのなら、この物語はいっそう面白くなるのではないでしょうか。

あと、彼女に触れた事を呪いに据えるのはどうかと・・・確かに主人公にとって高嶺の花で、雪のように神秘的な美女だったようですが、腹違いでも愛する女性から生まれた罪無き赤子をもって呪縛・・・これ、自分の読み取り間違いでしたら本当にごめんなさい。

厳しくなったかもしれませんが、全体的によくまとまった作品だと思います。
□名無しさんからの批評 (2004/01/10 21:45) フォント
発想
構成
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総合
先の批評にも書かれている事ですが、美雪の行動が不可解です。妊娠を中絶しなかった理由、子供を残して自殺した理由が、よくわからないです。
そんな美雪と付き合っている主人公もよくわからないな、と。他人との間に出来た子供を、恐らく今後育てる事になるのでしょうけど、彼女をそれだけ愛していたのか?
もう少し、主人公たちの内面に迫って欲しかったです。
□ななしーずさんからの批評 (2004/01/11 04:04) フォント
発想
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子供を"呪い"としてしまうと、3年前の性交が、まるで、しなきゃよかった的な悪い事のように捉えられてしまいます。
書き方が説明的すぎるかなと思いました。出来事を羅列するだけではなく、心情描写もうまく絡めて書いてくれたら、もっと感情移入できたと思います。
□名無しさんからの批評 (2004/01/11 09:09) フォント
発想
構成
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総合
発想を葉にしましたが、思いつきはいいと思うんです。が、不自然さが残る。表現は、文体はいいが、描ききれていないなという感じ。だから、葉と蕾逆に取ってもらってもかまいません。
美雪が僕を選んだには理由があるはずです。ただ、棚ボタのように付き合ったまでは分からないことも無いが、わが子を残して死のうというときに、そのこを託すだけの魅力が全く僕について描ききれていない。
たとえば、人の頼みを断りきれない、まじめだけがとりえの少年とでも、一言書いてあれば、美雪はそこにかけたのかなという理解をするのですが。
□名無しさんからの批評 (2004/01/11 10:11) フォント
発想
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総合
 まず、改行したら字下げしましょう。
 文章ですが「少し早すぎた相手だったんではないだろうか」の段落は不要でしょう。この内容は抽象化した文章で片付けず、具体的なことを描いて読み手に感じさせてください。ちなみに「僕は」じゃなくて「僕には」ですよね。
 「性交」って言葉はあまりに直接的で自然でないですね。「彼女と結ばれた」ぐらいが自然で意味も通るかと思います。「性的な接触」も同様で「彼女と寝ることはなくなった」あたりでよいかと。

 で、最後に内容ですが

・つきあってた期間はお互いずっと高校生で、自宅住まいなので3年間セックスなしってことで良いんですよね?

・その間に美雪さんが誰かと何らかの性交渉を持って妊娠したってことですよね。それは彼女が望んだものなのでしょうか? それとも不本意な関係だったのでしょうか?

・怒鳴り散らしたお兄さんは妊娠・出産に気がつかなかった?

・彼女が自殺したのは主人公への詫び?

・主人公に子供を託したのはなぜ?

といった感じで「?」だらけです。作者の方はこれらの疑問に答えられるのでしょうか? 答えられるのなら読み手にわかるように作品の中でわからせてください。
□名無しさんからの批評 (2004/01/11 15:41) フォント
発想
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総合
改行後字下げがあったりなかったりは読みにくいです。

彼女の行動にも、主人公の行動にも、どちらにも共感できる部分がなかったので話に入れませんでした。行動があまりにも不可解な部分が多すぎます。

「構成」というよりも、展開とテンポが良かったので、受け入れやすい話(とりあえず明るい話?)を書いてみてほしいです。
□郵一郎さんからの批評 (2004/01/11 18:24) フォント
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中編ぐらいの物語のプロットかな、という感じがしました。 省略できるところもあったような気がします。もう少し「美雪」にスポットライトをあてるといいかもしれません
□名無しさんからの批評 (2004/01/12 20:53) フォント
発想
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総合
説明的な前半はいらないのでは。後半の雰囲気がすてきなので、前半をもっとすっきりとさせて欲しいです。
展開にあわせて登場人物を動かすのではなくて、登場人物の感情を始発点にして展開させていかないと、意味不明の行動がでてきてしまいます。
なぜ二人は付き合ったのか、どうして産んだのか、そしてどうして託して死を選んだのか。
僕にはわからなかったのかもしれませんが、読者にはわかるようにしていただきたいものです。
(またはなぜ僕がわからないのかを書くか)
□名無しさんからの批評 (2004/01/12 23:31) フォント
発想
構成
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総合
厳しくて申し訳ないですが、内容以前に気になるところが多すぎて、批評が内容にまで行き着きません。
いちいち例は挙げませんが、字下げや誤字や助詞の使い方の違和感は、繰り返し読み直すことで防げる部分なのでは?表現にも稚拙な部分が目立ちます。
□名無しさんからの批評 (2004/01/13 00:41) フォント
発想
構成
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総合
 何回推敲されましたか?気になるところを挙げます。
・僕らの“かやっていた”高校で?
・自分のことを「何の変哲も無い普通の男子」という表現は違和感があります
・恋愛というものになれて(慣れて)いない僕(に)は
…一度読んだだけでも気になる部分がたくさんありました。改行や誤字脱字については、省略しますが。
 そしてなによりも、この作品が何を伝えたかったのか、わたしには分りませんでした。余韻ではなく、ただひたすら「???」という状態。
□名無しさんからの批評 (2004/01/13 01:59) フォント
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総合
うーーん。解らない、ゴメンナサイ。ストーリ中で子供を抱えて自殺させるのも何故?って感じ。ううむ、解らない。クライマックスなんだろうけど。
原因はきっと登場人物の役割が不明だという所かなぁ〜 解らない原因は。
□名無しさんからの批評 (2004/01/13 20:27) フォント
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意味が解らない点がかなり多いです。
まずは、この作品を書くことで、読者に何を伝えたいのか、どう思わせたいのかという部分を整理してみる必要があると思います。体裁とか推敲とかの話は、その後で。
□名無しさんからの批評 (2004/01/15 18:27) フォント
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どうも美雪の不思議性が強調されすぎて内容が意味不明に陥っている気がします。
□名無しさんからの批評 (2004/01/17 18:55) フォント
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内容は理解できます。で、何を伝えたかったのでしょうか?
何よりも字下げがない事や誤字が目立ちます。
□nobodyさんからの批評 (2004/01/20 13:00) フォント
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美雪の描写不足のせいで、彼女のイメージがぼんやりしたままハッキリしませんでした。そのためか、彼女がラストで子供を残し飛び降り自殺をした理由が不明。
また、美雪に触れたことによる呪縛という下りが唐突過ぎる気がします。「僕」が不相応にも美雪と付き合ったから、「僕」には呪縛が残ったと、彼はそう美雪の突然の死を消化したのかなぁ、とも思いますが。
何が言いたいのかよくわかりませんでした。もっと人物を掘り下げて描く必要があると思います。
□名無しさんからの批評 (2004/01/22 10:35) フォント
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話し全体の流れはわかりました。
しかし流れがわかっただけで、その話のプロットを読まされたような感じです。
骨組みだけで、まだ肉付けがされていない。
文章については書き慣れというのも必要ですが、何度も繰り返し読み返すだけでも違ってきますよ。

なにせ美雪の人間性がさっぱりわからなかったのが一番残念ですね。
そして主人公も彼女を愛していたのか、そうじゃないかもわからない。
もうちょっと二人の心理的な部分を書き込めば、また違った感じになったかもしれませんね。
□名無しさんからの批評 (2004/01/25 02:56) フォント
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題材は良かったのですが、緊張感が乏しくあまり興味をそそられませんでした。
淡々と語られていくのはいいのですが、淡々としすぎていて…
1200文字でも主人公の心情や葛藤をもっと盛り込めるはずです。そこんところに注意して次回作を書いてください。
□名無しさんからの批評 (2004/01/27 16:57) フォント
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総合
誤字や段落始め一字空けといった問題点を脇に置いても、納得できない事柄が多すぎます。なので、ラストシーンの情景がどれだけ綺麗であっても、「だから?」と首を傾げざるを得ません。
□名は無いさんからの批評 (2004/01/27 22:07) フォント
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良くも悪くも小説になりかけの文章だと思います。多くの推敲の余地があるかと。
良くも、というのは詩的な表現などにならないように因果関係を道筋だてて書いているところです。
悪くも、というのは書こうとしていることが消化しきれないままになっていると言う事です。
(以下、蛇足)
兄の存在は必要だったのか、因果関係がはっきりしていることを重視する私にとっては少し疑問でした。世の中の現実なんてのは因果に縛られてばかりではないですから、どうでも良いことのなのですけれど。
□セツナビトさんからの批評 (2004/02/02 09:08) フォント
発想
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総合
うーむ、物語の流れは分かるのですが……。この文体、主人公の性格を現していると取れなくも無いとは思うのですが、やはり著者の方自身のものなのでしょう。改善の余地が多分にあります。

やっぱり主人公や美雪の人間性がよく伝わってこないのが残念です。特に美雪。「美雪は常に大胆な行動で僕を惑わした。」だけでは読者にはうまく伝わらないと思います。会話を織り込むなりしてきちんと描写した方がよかったのでは。

あとは「呪縛」。この話の重要どころなのでしょうが、弱いです。何故美雪が主人公に小雪を託したのかが全く書かれていないからです。主人公にそうするほどの魅力があるわけでもなく、美雪がそこまで主人公を頼っていたという記述も無い。それでは納得できません。重要どころなのだったら、きちんと伏線を張っておくなりしないと、ただ突然なだけですよ。

どうも1200に収まっていない印象を受けます。出来事の羅列が多く描写が少ないからだと思います。次回は1200で書ききれるネタで挑戦してみてください。
□名無しさんからの批評 (2004/02/07 14:10) フォント
発想
構成
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総合
厳しい言い方ですが、物語の意味も不明なところが多く、ストーリー・主張、どちらを書きたかったにせよ伝わってきません。従って奥にあるものが読み取りにくく、発想については「芽」といたしました。それに伴い、構成も今回は「芽」とさせていただきました。

表現については一貫性が足りないように思います。硬い表現で統一しているように思えるのですが、突如
「じゃないと」といった具合に話し言葉が出てきてしまっています。そういった部分で物語が主人公のものではなく書き手のものになってしまっているように思います。

また、一見兄の介入により、彼女との交際は途絶えたのかといえばそうではなく、性的接触のみ途絶えたということのようですが、美雪の主人公に対する気持ち、逆に主人公の美雪に対する気持ちがまったく読み取れないため、彼らの付き合いが継続していることが読み取りにくく、また、非常に薄いものになっています。物語の中心はこの二人の付き合いになっているのですから、もう少しそういった感情表現を交えては如何でしょうか。二人きりのチャンスについて、家族のあれこれなどは削ってもよい部分だと思いますので、そういうところを感情表現にまわして欲しかったと思います。
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