「ちいさな女の子」
yuzawa
 パパが「ママにそっくりの色白のびじんだから、雪子って名前にしたんだよ」と言うので、雪子は雪も自分の名前もすきでした。雪は白くてきれいだし、自分が雪のようせいみたいで、うれしかったのです。
 けれども雪子は、雪の日がきらいになりました。二年二組のいじわるな男子が、雪ん子は人をこおらせてころすおそろしいようかいだと言っていじめるのです。
「やーい、雪ん子が来た」
「雪かきがたいへんだ、おまえのせいだぞ」
「わたしは雪ん子なんかじゃないもん!」
 雪子がなきそうな顔でと言うと、男子はますますおもしろがって「雪ん子、雪ん子」とはやしたてるのです。
 その日の学校の帰り道、雪子は雪を丸めて、「雪のばかあ」と言って思いきりなげました。すると、雪玉は前にいた小さな女の子の頭にいきおいよくぶつかってしまいました。女の子の白いアノラックは雪の中ではめだたず、そこに女の子がいるなんて気づかなかったのです。雪子はすぐにあやまりました。
「ごめんなさい」
 雪子がかけよると、女の子はないています。
「ごめんね、いたかったの?」
「ううん、ママにおこられちゃったの」
「どうして?」
「お手つだいで、しっぱいしちゃったの」
 雪子も、ママのお手つだいでしっぱいしたことがあります。おさらをわってしまったり、おつかいに行ったのにお金をなくしておこられたりしたことを思い出しました。
「だいじょうぶ。わざとじゃないんだから、ちゃんとあやまればゆるしてくれるよ」
 雪子が女の子をなぐさめていると、きゅうにうしろから「雪子」とよばれました。びっくりしてふりむくと、とてもやさしそうな女の人が立っていました。
「ママぁ、ごめんなさい」
 女の子がなきながら、その女の人にだきつきました。なんと、この女の子も雪子という名前だったようです。女の子のママは、やさしく女の子をだきしめてあげました。
「ちゃんとあやまれて、よかったね」
 雪子は声をかけて帰ろうとしました。
「おねえちゃん、ありがとう」
 小さい雪子ちゃんはそう言って、にっこりとわらいました。すると、どうでしょう。さっきまでの雪がうそのようにやんで、空が明るくなってきたのです。
 雪子はびっくりしながらも、ひょっとしたらあの子が本当の雪ん子なのかもしれない、そうだったらいいなと思いました。
 いつのまにか後ろにいた男子が、雪子を走っておいぬかしながら言いました。
「雪ん子のこうげきが、やっとおわったぞ」
 雪子は男子にはっきりと言いました。
「雪ん子は、ようかいなんかじゃないよ」
 だって、雪ん子は小さくてかわいい、いっしょうけんめいな女の子なのですから。
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□ななしーずさんからの批評 (2004/01/11 04:21) フォント
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漢字で書いた方が読みやすいと思われる部分で、平仮名が使われている意図が解りませんでした。そこが気になって物語りに入り込む事が出来ませんでした。
あと、子供に名前を付ける時点では、「色白のびじん」かどうか判別できないんじゃないかなと。
女の子の可愛い感じは伝わってきました。
□名無しさんからの批評 (2004/01/11 09:26) フォント
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生まれたては赤ら顔のほうが、色白になるといわれています。だから「ママに似て色白になるように」のほうが自然ですね。

ということはさておき、会話文の中の幼さを表現するのにひらがなが有効な時はあると思いますが、普通の文のひらがなは読みにくい。絵本でも、全くひらがなというより、漢字にルビが多いようですよ。漢字はそれ一字で深い意味をもちますから、イメージはがらりと変わると思います。
小学生の低学年、もしくは幼稚園の子供に読み聞かせをしてあげると良いお話なのかもしれませんね。
□名無しさんからの批評 (2004/01/11 15:50) フォント
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セリフ改行の有る無しが気になりました。(一行目のはいいのだろうけれど)

印象は児童書向きの、まつたに某の作品のような気分で読みきりました。「ちいさいモモちゃん」とかのノリで。
すっきりとまとまっていますが、不要な説明と、足りない部分とが混在しているので、もう少し整理してほしいです。
□名無しさんからの批評 (2004/01/11 16:00) フォント
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 ほのぼのしました。いいですね。童話風の文体は意見の分かれるところでしょうが、この雰囲気には合ってると思います。どことなく暖かいイメージのイラストがついたら子供に買ってあげたくなりますね。
 漢字をつかわないことにも個人的には賛成です。漢字で書くと大した内容でなくても、すごいこと書いたような気になるって言葉に飲み込まれてる人が多いですから、ひらがなで勝負する人が好きなんです。
□名無しさんからの批評 (2004/01/11 16:16) フォント
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やはり、地の文、大人の台詞は漢字の方がいいと思います。十分簡単な言葉が選ばれていると思いますので、文体としての可愛らしさは損なわれないかと思います。
お話も可愛らしいですね。ちょっとありきたりな道徳話、に思えるところもありますが。
アノラックは知らないと解りにくいかも知れません。白い帽子で良いのでは。
雪ん子のイメージが「おそろしいようかい」と雪を降らす「こうげき」する存在と来ていて、最後に小さい女の子へ当てはめてしまうのは、やや説明不足な感じがします。
お手伝いの内容が実は恐ろしいもの、というのは結構面白いですが(でもこの話の雰囲気にはあってないですね)
□郵一郎さんからの批評 (2004/01/11 18:43) フォント
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ひらがなにすることで話全体に優しい印象をうまくつけられていると思います。 その一方で、読みにくい箇所もあるので、そのバランスが難しいとこではありますが。
□名無しさんからの批評 (2004/01/11 18:55) フォント
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こんばんわ。雪子が小さい雪子の事を「ひょっとしたらあの子が本当の雪ん子なのかもしれない、そうだったらいいなと」と思ってますが、最後の所で小さい雪子は雪ん子であると、断定したような文章になっているので矛盾しているのではと思いました。「かもしれない」ではなく、あの子こそ雪ん子なのだと雪子が信じきると納得します。

童話のように綴るのなら、女子を女の子と呼ぶみたいに男子も男の子と呼んだ方がよかったです。いくらいじわるでも子供ですし、男子という字を見かける度に彼らがかわいそうになってきました。
やわらかい雰囲気の作品だ、と思いきや。ちょっと残念でした。
□名無しさんからの批評 (2004/01/13 00:50) フォント
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 やわらかい世界を描きたい、その世界は十分に伝わってくる気がしました。ただ他の方も指摘されてるように、「人を凍らせて殺す恐ろしい妖怪(…漢字で表現してみました)」とか「男子」っていう響きが、物語に合ってない気がしました。とことん女の子の視点で書いても良かったんじゃないかしら?その辺の残念をこめて、評価をちょっと厳しくさせて頂きました。
 でも、こういう世界大好きです。がんばってください!
□名無しさんからの批評 (2004/01/13 02:08) フォント
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雪というテーマでここまでこなれていると脱帽です。次回作に期待しています。敵わない、、、ポツリ。
□名無しさんからの批評 (2004/01/13 15:03) フォント
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これは童話では?大人が読むには物足りないストーリーです。
□名無しさんからの批評 (2004/01/15 22:51) フォント
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子ども向けの絵本に出てくる物語みたいな印象を受けました。
絵が描けて絵本にできれば実。
□nobodyさんからの批評 (2004/01/20 12:59) フォント
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地の文の平仮名は、敢えて平仮名にしていると思うのですが、私にとっては文章全体を読みづらくするだけのものでした。体裁の問題になりますが、絵本のようにページあたりの文字数が少なければ、このような文体でも読めるのかなぁ、と思ってみたり。

ストーリーはいいと思います。今まで怖いと思っていた雪ん子のイメージが、一つの出来事でがらりと変わってしまう。その様子が上手く出せていると思いました。
既に他の方が指摘されていますが、「そうだったらいいなと思いました。」ここの文章は雪ん子なんだ、と断定してしまった方がラストが生きてくると思います。
□名は無いさんからの批評 (2004/01/27 21:51) フォント
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まず気がついた問題点として、地の文を人間の方の雪子ちゃんの視点での文章にしているために、ひらがなを多く使っているために、非常に読みにくい印象を与えてしまっていると思います。
しかし、雪子ちゃんの視点で語られる文章であることにより、全体に幼さを表現するのには成功しているので、大きな問題であるかと言えば違うかもしれません。
もう少し読みやすくするためにも、地の文を雪子ちゃんの一人称に徹底してみると良かったかもしれません。
□名無しさんからの批評 (2004/02/07 01:50) フォント
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絵本や子供向けの本のようだと思いました。
雪子の一人称の語りにするのでなければ平仮名表現を使用する効果は感じません。
子供向けの話と思えば良いお話でしたが、平仮名にした部分に漢字を使用したとして読むと描写が稚拙な気がします。
今度は普通の作品が読んでみたいと思います。
□名無しさんからの批評 (2004/02/07 14:52) フォント
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十分な出来だと思います。
ひらがな効果もとてもよいと思いながら読みました。
ただ苦言を呈するならば、ひらがな効果をより有効にすることを考えたほうがよいと思います。
読みずらいという声も出ているようですが、ひらがながつづくものは確かに大人が読むものとしては読みずらいです。ただしそれは絵本のように行間を空ける、改行を頻繁に行うなどである程度読みやすくすることができるかと思います。
ひらがなを効果として使うのであれば、そこまでを期待したいところです。でなければ逆効果になってしまいます。
ただ1200字では改行をふんだんには使えないのでこうなってしまったのかなとも思いますが、それでもかなり健闘されていると思いますし、内容が充実しているので今回このような評価をつけさせていただきました。


ラストも、すでにいわれていることですが、「そうだったらいいな」から急に断定になる部分が気になります。
そうだったらいいな、を受けて「女の子なのかもしれないのですから」にするだとか、何かエピソードをひねって、「間違いなく雪んこなのだろう」と読者および雪子(主人公)に思わせるかのどちらかで統一させてもらえれば完璧だったと思いました。
□セツナビトさんからの批評 (2004/02/09 18:01) フォント
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暖かいお話ですね。絵本でありそうな。読んでいてほんわかした気分になりました。よかったです。

漢字とひらがなのバランスが少々気になりました。同じ時期に習うだろう漢字がひらがなだったり。例えば「雪」「道」「帰」が漢字なら「きゅうにうしろから」「おねえちゃん」は漢字でもよかったのでは? これらの文字を一体何年生で習ったのかはるか昔のことなので覚えていませんが(笑)、その辺りを統一した方がもっと読みやすくなるのではないでしょうか。

あとは、やっぱり実際に雪が止んだのを見たらあの子は雪の子だと主人公は断定すると思います。ラストでも断定してますし。断定して、少し感動するような描写があると、最後の台詞がもっと生きると思います。

他の方が指摘されているとおり、これは主人公の一人称で書いても面白かったのではないかと思います。どちらにせよ、いいお話でした。これからもがんばってください。
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