「ごみあくた」
銀色
 寒いな、と思っていたら雪だ。思わず空を見上げてしまう。最初のひとひらが、手の中で落ちては消える。
 そうか、雪だ。
 昔は雪が降るとはしゃいでいたな。もう僕も二十歳になるから、そんなこともないか。
 震えが走って、コートの前を合わせた。
 駅前には大勢の人が流れている。
 みんな静かに行き急いでいる。僕みたいに、ぽかあんと空を見上げているバカなんて、一人もいやしない。
 雪なんだけどな。
 人の流れにつられるように、僕も歩き出した。
先日、ダウンジャケットを裂いてしまったのを思い出した。あれは高かったのに。中か
らふわっと羽毛が飛び出したっけ。そうだ、今降っている雪は、その羽毛にそっくりなんだ。
 ダウンジャケットは、もう着られないから捨てた。中から飛び出してきた羽毛も、着ら
れなくなったジャケットも、全部僕にはごみだった。
 今降っている雪だって、まるでごみくずじゃないか。ほこりにだって見える。
 小さなひとひらが重なり合って、空から降ってくる。全部ごみだ。
メリークリスマス。
 ケーキ屋の前を通り過ぎた。そこに張ってあったチラシが目の裏で踊る。
 真っ白なケーキの上に赤い苺が乗ってたっけ。チラシにはぼかしが入っていて、その上
を白いぼやぼやしたものが舞っていた。
 何がクリスマスなもんか。
 僕にはサンタも、ケーキも、チキンも関係ない。
選び抜いたシャンパンを味わう余裕も無い。クリスマスディナーを一緒に過ごしてくれる
恋人もいない。
 何がクリスマスだ。
 これから家に帰って、チキンもケーキもない普通の食事をして、はしゃぐことなく眠り
につく。
 時計を見た。五時半、いつもなら夜のとばりが降りるこの時間も、雪のせいで妙に明る
かった。
 雪は道路に落ちては、車に人に踏み潰されて、とけてぐしゅぐしゅのみぞれになって、
消えていく。
 でも、街路樹や道の端、店の屋根なんかに積もった雪は、とけずに寄り添いながら、白い姿を道行く人に見せ付ける。
「雪か……」
 どこかで歓声が上がった。
 女性特有のきんきんした声。僕は耳が痛くなった。どうやら喜んでるようだ。
「うそー雪だよ、雪降ってるよー」
 なぜだか僕はすっきりした気持ちになって、雪を手に取り、それを握り締めながら家路に向かった。
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□ななしーずさんからの批評 (2004/01/11 05:10) フォント
発想
構成
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まず、変な改行が入ってしまってます。もったいないので投稿時には要注意。
クリスマスで賑わう街では、誰も雪が降っている事に興味を示す人などいない、という"寂しさ"と、最後女性が雪に気付いて喜んでいる声を聞いての"安心"を対比する話だと思ったんですが、それだとクリスマスの描写が多すぎるかなと思いました。(ねらいが違うかったらすいません)
□名無しさんからの批評 (2004/01/11 16:26) フォント
発想
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総合
前半の「ごみ」と雪の関連がいいなあ、と思ったのですが、メリークリスマス以後、後半がクリスマスに寄りかかってしまって、最初の「ごみ」がとこかにいってしまったのが残念。
最後の女性の声が主人公に安心を与える存在にもかかわらず、「きんきん」としていて、耳が痛くなってしまうのもどうかと思いました。ギャップを出したかったのなら、すいません。

□名無しさんからの批評 (2004/01/11 19:10) フォント
発想
構成
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総合
変なところで改行になっています。字下げもあったりなかったり。
作者の意図する改行だけでも、改行は多いですが。

ちょっとアッサリしすぎて、話の盛り上がりに欠けています。
□名無しさんからの批評 (2004/01/11 19:12) フォント
発想
構成
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総合
改行については残念。その分何度も読み直して批評させていただきます。
話を読んで。槇原(マッキー)の歌の何曲かの描写がミックスされて思い浮かんでしまった。聞いたことも無いなら、発想は良いってことですよ。だから、発想の評価を花に変えてください。
雪なんてごみと感じるくらいの孤独であれば、最後の女の子の「雪よ」は、もっとやさしい状況で聞こえたほうが、主人公の心をほぐすにはいいと思います。
□名無しさんからの批評 (2004/01/11 22:16) フォント
発想
構成
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総合
 投稿時の注意に関しては皆さんの言う通りです。これは文法的な問題を云々言う以前なので、今回は内容だけを問題にしようかと思ったのですが...えっと、これは雪のクリスマスの日の感想文? 小説という意味を考え直す必要がありそうです。
□名無しさんからの批評 (2004/01/11 22:52) フォント
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総合
主人公が大人なのか子供なのか、よくわかりませんでした。多分その中間という感じを出したかったのでしょうけど、なんだかよくわからない、という印象しか残りませんでした。途中に交じっている平仮名も同様。妙に違和感が残ってしまいました。
文章自体はいいと思うので、もう少しまとまりがあれば良かったな、と思います。
□名無しさんからの批評 (2004/01/14 13:53) フォント
発想
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総合
二十歳前後の男の子の青臭いセンチメンタルですね。言いたいことは解るのですが、惜しい。
物語が読者に与える感動には色々な種類がありますが、こういうパターンの物語の場合、共感しかあり得ないと思います。しかし、共感といっても平凡なことを平凡な言葉で書いているだけでは、どこにでもあるただの文章として共感されるほどの価値を見いだされないのではないかと思います。
読者の心を引きつける要素が一つで良いから欲しいです。
□名無しさんからの批評 (2004/01/14 16:09) フォント
発想
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総合
雪ですなぁ〜 降ってますなぁ〜
構成としては、ダウンジャケットのくだりを外してみてもいいかなぁ〜と思います。
メリークリスマス!!(読者はクリスマスが好きらしい)
□名無しさんからの批評 (2004/01/15 01:18) フォント
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総合
ある日(クリスマス)のささいな思考や感動を短編に仕上げているだけでは味気なさが否めません。しかしこういった手のものをうまく書くのは極めて難しく、玄人レベルでないと・・・と自分は思ってます。最初のうちは話に抑揚を付けてるといいかもしれないです。

そして読者に配慮した結果なのでしょうか、一文が短いものが目立ちます。これがどうも馴染めませんでした。
□名は無いさんからの批評 (2004/01/16 00:49) フォント
発想
構成
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総合
読みづらかったですが、頑張って読みました。
改行が多すぎるせいで文章全体が軽すぎるように感じてしまいます。
途中の「メリークリスマス」という文が浮きすぎているような気がします。語り手の心変わりも早すぎて読者を置いていってしまうような気がします。
□名無しさんからの批評 (2004/01/16 01:08) フォント
発想
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総合
なんだかえらく拗ねた20歳ですね。
お題は活かされているけど、タイトルが似つかわしくない気がします。
□名無しさんからの批評 (2004/01/16 17:40) フォント
発想
構成
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総合
ありがちなストーリーだがこなされてない。
「僕はすっきりした気持ちになって・・・」が唐突すぎて特に変。
改行の仕方が辛い。(きっと失敗したのだと思うのですが)
□nobodyさんからの批評 (2004/01/20 12:55) フォント
発想
構成
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総合
自分以外の世界に対して無関心な人々の海の中で、一人疎外感を感じていた主人公が、その中で自分に近い感覚を持った人を見つけて安心する、というのが大きな流れかな、と思います。異質なものに囲まれた中で、同質なものを見つけるとほっとしますしねぇ。
と考えると、雪のことをごみ扱いしていた下りは何だったのだろう、と疑問です。雪をごみとみなす必然性がよくわからない。なんとなくフェードアウトしてしまったような印象です、もったいない。
改行……はミスでしょうか?
□名無しさんからの批評 (2004/02/07 00:04) フォント
発想
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総合
何を書いているのか、ご自身で把握していらっしゃるのでしょうか。そういう文章と見受けられました。

小説というのは、何気ないことでも、それに動機やその説明が必要です。なぜ、ダウンジャケットを裂いたのか、なぜ、すっきりした気持ちになったのか。大勢の読者にそれが読み取れていないということは、あなたの表現もしくはプロットの組み立て不足だったのでしょう。もっと、起承転結をしっかりとしましょう。
□セツナビトさんからの批評 (2004/02/09 20:22) フォント
発想
構成
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総合
改行はミスなのでしょうね。投稿フォームでは段落を変えるときだけ改行すればOKです。

ダウンジャケットから飛び出た羽と雪をつなげた部分が面白いと思いました。ただ後半にそれが生かされていないのが残念。クリスマスにこの作品を読むとすんなり納得できるのでしょうが、時期が過ぎると唐突にしか思えません。つながりをそのまま展開させたらもっと面白かったかもしれません。

最後に主人公がすっきりした気持ちになったのは、女性の歓声を聞いてモヤモヤと考えていたことがどうでもよくなったからだ、と補完しましたが、どうだったのでしょうか。「なぜだか」ではいまいち納得できません。

どちらにせよ話に起伏が無く、日記かエッセイを読んでいる気分になってしまいます。次回は盛り上がりのある作品を読んでみたいです。がんばってください。
□名無しさんからの批評 (2004/02/10 09:35) フォント
発想
構成
表現
総合
改行については何度も批評内で触れられているとおり、勿体無いと思いますので、気をつけて欲しい部分だと思います。

文章自体も滑らかですし、日常のさりげないヒトコマ、心理的なヒトコマという感じがするのですが、もったいないのはタイトルです。
雪や羽根という綺麗だと思われがちなものを「ごみあくた」に見立てるのはとても発想として面白いと思いましたが、そうすると最後の結論があっさりしてしまったかなと思います。タイトルをもっと有効にしたストーリーの運びか、もしくはこのストーリーにあったタイトルにして、ごみあくたは文中で使うかだともっとよかったのかなと思いました。
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