「観察」
hidesuke
 前略。いかがお過ごしでしょうか?この間は立派な梨を送っていただきありがとうございます。5歳になる息子と3歳になる娘は、「やった!黄色いリンゴだ!」などと言っておりました。まったくかわいいものです。
 去年の話になりますが、ある日息子が「カブトムシを育てるんだ!」といってカブトムシの幼虫を3匹ほど拾ってきました。先生もご存知のように私は虫が苦手でして…しかし幼い息子の自然や生き物に対する興味を親の好みで消し去ってしまうのはいかがなものかと思い、『絶対に自分で、最後まで世話をする』ということを条件にカブトムシの幼虫を飼うことを許可しました。そのときの息子の喜ぶ顔は今でも目に浮かびます。
 さて、息子は早速、愛読書の昆虫図鑑を出してきて色々と必要なものをピックアップしていきました。親バカかも知れませんが、この時の息子の行動力には将来有望なものを感じました。
 『自分で面倒を見ろ』とは言ったものの、親として、威厳ある父としては息子が間違った飼育をしていたら正しい道を教えてあげなければなりません。息子の質問には常に満足のいく答えを用意してあげたいと考えます。そこで私もカブトムシの飼育法を色々と勉強することにしました。虫が嫌いな私ですが、息子のためを思うと、見るのもおぞましい虫の写真がたくさん載っている本を読むことだって厭いません。
 こうして、私と息子のカブトムシ飼育が始まりました。
 息子は「カブトムシになったらカブトムシとはーちゃんと一緒にお外をお散歩するんだ!」と言って毎日、きちんとカブトムシの面倒を見ました。面倒を見るといっても地味なもので、腐葉土に霧吹きで水分を与えるという程度のものでした。息子は、寝る前の歯磨きは忘れても、この作業だけは毎日続けました。私が代わりに水をやろうか、と言ったら息子は「僕がするの!お父さんは何もしなくていいの!」といいました。まったく頼もしいものです。
 そして夏も近づいてきた頃、ふと思い立ってカブトムシの箱をあけてみたのです。先生、なにが起こったと思います?なんと箱の中から見るも恐ろしい蛾が3匹出てきたではありませんか!あとから聞いた話ですが、蛾の幼虫もあの芋虫状の形状をしている物がいるのですね。私達はそれと知らずに蛾を一生懸命育てていたのでした。
 このことを正直に息子に話したら「お父さんの嘘つき!カブトムシの幼虫って言ってたのに!!」と言って泣き出してしまいました。
 これだから虫なんて大嫌いだしかし、こんなに素直に笑い泣ける息子は素晴らしい感性を持っていると思いました。
 これから寒くなっていきますが、先生もお体には気をつけてください。
早々。
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□名無しさんからの批評 (2003/11/10 14:13) フォント
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 手紙という文体を利用するのはそれなりに面白いと思います。
 でも、「先生」と呼ぶ相手に「前略」は失礼な気がします。これにこの父親の性格が出てるとも解釈できますけれども。

 内容はよくわからないです。親ばかな父親、息子、手紙の宛先の先生という3人と3匹の蛾に何か象徴的な意味を持たせているのだろうか?と思って読み直してみたりもしたのですがわかりませんでした。
□名無しさんからの批評 (2003/11/10 17:12) フォント
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手紙という発想は良いですね。
家族の微笑ましい感じもよく出ていたと思います。
手紙の宛て先を「先生」としたことにはなにか意味があったのでしょうか?
文体からして、「父親」と「先生」の位置関係がいまいちつかめませんでした。

だけど雰囲気は、ほのぼのと可愛くて、良い感じですね。
手紙と虫をもうちょっと関連付けすれば、もっと良い作品になりそうです。
□名無しさんからの批評 (2003/11/10 23:59) フォント
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とても読みやすい文章でした。
ただ、虫の話が始まるのも終わるのも唐突すぎるような気がします。それに、いくら親ばかでも(仮にも相手は「先生」と名の付く人だし)もうすこし子供のことを謙遜して書かないかな、と思ったとき、どうもリアリティに欠けるような感が拭えません。
でもカブトムシだと思って育てていたのが蛾だったというのは、エピソードとしては面白いと思いました。主人公(?)の虫音痴っぷりもよく解ります。
□名無しさんからの批評 (2003/11/11 00:00) フォント
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まず、書き出しの梨のお礼の話がいきなり虫の話になってしまう唐突さと、手紙の内容のほとんどが手紙の主題(お礼の手紙なんですよね?)とは関係が無い虫の話である、ということに違和感を感じました。
手紙という発想はいいと思うのですが、手紙の内容として話の持っていき方にもう少し工夫が欲しかったです。

また、第三段落の「さて」という書き出しは、合ってないような気がします。「さて」は必要なく、「早速、息子は」とか、そのまま「息子は早速」と始めた方がよかったのじゃないかと思います。ちなみに「早速」を初めにするか後にするかは好みの問題でしょうが、個人的には「早速、息子は」と書く方がすっきりすると思います。

あと、細かい点をいくつか。
まず、第六段落最後から2行目の「いいました」だけが平仮名なのは誤字なんでしょうか。
また、文中の「!」や「?」の後は一文字あけるのが規則のはずです。
それに、読点の付け方もばらばらなようですし(かぎ括弧(「)の前に読点があったりなかったり)、投稿される前に細かい点に気をつけて読み直される方が良いと思います。
□名無しさんからの批評 (2003/11/11 03:54) フォント
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 「私」というのは最初母親の事だと思っていました。なので途中で「父」とあったのを見て少しびっくり。
 (これは私だけかも)
あと,これだから虫なんて大嫌いだしかし,のしかしの前は読点を入れたほうがいいのではないでしょうか。
□名無しさんからの批評 (2003/11/11 06:26) フォント
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 このお話だったら、手紙にしないで、箱を開けた時にギャアと驚くシーンが入ったりした方が面白かったように思うのですが、その辺は好みの問題でしょうか。"ふと思い立って"箱を開けるより、子どもと一緒に"いよいよ…"という感じで開けた方が、わくわく感が伝わってくるように思います。
 手紙とエピソードとの調和がよくとれてないように感じてしまいました。なぜ手紙にしたためてあるのか、よくわかりませんでした。
□匿名批評者さんからの批評 (2003/11/11 12:59) フォント
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物語の読みやすさは良かったと思います。すんなり読めました。
やはり気になるのは導入部分の話と虫の登場シーンを結びつける点かなと思います。
また、「先生」への手紙というせっかくの設定ですから先生を結びつかせた方がよかったのかもしれません。
字数制限がなかったら、この後半部分がもっとよいものになったかもしれませんが、短編の中でもそれを光らせる術はあったかなとも思います。
□匿名さんからの批評 (2003/11/11 13:07) フォント
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一番乗りの文章ですね。素直に楽しませて頂きました。あえていうなら、「先生への手紙」という形式を取らなくてももっと広がりを持たせることができたかとも思います。次回に期待しています。
□phさんからの批評 (2003/11/11 14:09) フォント
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手紙の形式はおもしろいですし、エピソードも十分面白いです。カブトムシの幼虫は子供の頃の宝物ですよね。ほのぼのと思い出しました。
ただ、赤の他人の手紙はただ読んでも面白くないことが多いと思います。それは手紙をやり取りする者同士にある程度の共通理解が前提とされているため、その人を知らない他人には感情移入がしにくいわけです。
そのあたりを考えて、読者に先生と父親の関係や、母親が出てこない理由などを匂わせる文があればよかったと思いました。

それから、どうも全体的に読点が少ないように感じます。口語的文体なら、もっとあっても良いと思います。
□匿名さんからの批評 (2003/11/11 15:53) フォント
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虫嫌いな子煩悩なお父さんとやんちゃな息子とのエピソードを恩師へ手紙で報告する、という感じでしょうか。「先生」と「私」は、子供のことを謙遜しなくてもいい間柄なのでしょうね。
初めてのカブトムシの世話で、四苦八苦する親子の微笑ましい姿が目に浮かびます。手紙という形態で表現したのはよかったと思います。

>これだから虫なんて大嫌いだしかし、こんなに素直に笑い泣ける息子は素晴らしい感性を持っていると思いました。
この一文はこじつけっぽい感じがします。息子の感性を大仰に捕らえすぎという感と、あえて「虫なんか嫌いだ」と繰り返す必要はないと思いました。

個人的には好きな文章です、次回を楽しみにしています。
□セツナビトさんからの批評 (2003/11/11 21:13) フォント
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微笑ましい親子の奮闘記ですね。カブトムシだと思ってずっと大事に飼っていたら蛾が出てきたって、自分だったら半日ぐらいショックで寝込むかもしれません。

前置きはこのくらいにして、気になったところを書かせていただきます。手紙形式をとられていますが、どうも手紙の文章に思えません。小説なのだから仕方ないのでしょうけど、もう少し手紙な感じを出してもよかったのではないかと思いました。会話文に「」をつけず地の文に混ぜ込んだり、もう少し描写を簡略にしたり、など。

次に、これが父親の性格なのかもしれませんが、微妙に息子への愛を感じられませんでした。温かく見守っているというよりは、冷静に観察しているだけ、みたいな。そのために、これがほのぼのとしたお話なのか、シュールなお話なのかよく分かりませんでした。ちょっと感想に困ったといいますか。

最後に、ラストの早々は草々ですよね? 草々はどちらかというと女性の方がよく好んで使うイメージがあります。辞典を引いてもそういう記述はないのですが。

えと、前にほのぼのな話なのかシュールな話なのか分からないと書きましたが、どっちで取っても面白いお話でした。ちょっと硬すぎるかな、と思いますけど文体も好きです。これからもがんばってください。
□名無しさんからの批評 (2003/11/12 10:21) フォント
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テンポよく読ませてもらいました。
「なしのお礼」の後にしては「去年の話になりますが」が唐突な気がします。
□水夫さんからの批評 (2003/11/12 16:03) フォント
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手紙である意味を感じませんでした。何故この内容で「先生」に手紙を送るのか? この展開ならもっと綺麗なオチが欲しいです。

また、目上の方へのお礼の手紙に「前略」は失礼ですよ。
□名無しさんからの批評 (2003/11/13 17:36) フォント
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淡々とした読みやすい文章なのに、蛾が飛び出してきた時はぞっとする思いがしました。
そのぞっとする感触を無理に纏めようとせずに、もっと引き立たせて落として欲しかったです。
□名無しさんからの批評 (2003/11/15 00:16) フォント
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子どもがかわいかったです。目の前の世界への一生懸命さ、ひたむきさが現れていて、愛らしかった。

ただ、手紙という形で書くにしても、ちょっとカブトムシのエピソードの分量が多すぎますし、最後が唐突に終わりすぎます。もっと、一方的に語るのではなく、せっかくの手紙を生かして先生に語りかけるような構成と表現を望みます。
□名無しさんからの批評 (2003/11/15 00:50) フォント
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 手紙という形式の短所が前面に出てしまった感があります。
 物語が動いているという臨場感が足りないので、どうしてものめり込めない。一歩引いて「へえ」と思うことしかできない。手紙であることを生かした強烈な展開などがあれば気にならないはずのものです。

 ノリの良い文章を書けていると思います。ただこの作品の重点が落ちにあるとしたら、少々あっさりしすぎているかもしれません。
 もう一点、何かの要素を付け加えることを考えてみてはいかがでしょうか。裏に何かがあるだけで、ホラーにもブラックユーモアにも成り得ると思うのですが。
□名は無いさんからの批評 (2003/11/15 03:34) フォント
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手紙というアイディアを生かすならば、宛てるのは先生ではなかった方が良かったかもしれません。遠い所にいる親しい友人とか、子供たちは実は養子で実親の両親に宛てたものとかです。
句読点の打ち方など表現に少し引っかかる所があったので、その辺は注意して更正するとすぐ良くなるでしょう。
□名は無いさんからの批評 (2003/11/15 04:16) フォント
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↑の訂正です。

×更正→○校正
ヤンキー少年と熱血教師みたいな間違いをしてしまった…
□名無しさんからの批評 (2003/11/15 11:37) フォント
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手紙形式ということと、カブトムシだと思っていた虫が実は蛾だった、この点が素晴らしい発想だと思いました。
確かに、1200字という限られた文字数において手紙形式は有効ですね。
加えて、話のテンポとしても読みやすいものでした。

ただ読んでいて気になったのは、その二点の発想をくっつけただけという感が否めないことでした。
手紙の最初の出だしでいきなりカブトムシの話に入るところで「ん?」と思いました。
カブトムシと先生の間に何らかの関わりがあれば、スムーズに話が流れるかもしれないですね。

ただ、最後の実は蛾だったというのは、本当に予想していなかったので面白かったです。
□名無しさんからの批評 (2003/11/15 16:26) フォント
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すごく読みやすい文章でした。
それだけに感情の起伏というかそういうのがなく『のぺー』っとした感覚がのこりました。
□松本さんからの批評 (2003/11/16 11:34) フォント
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ひとつ気になったのは、子供さんが自分でカブトムシの幼虫と言って拾ってきたのに、最後のほうではお父様がカブトムシの幼虫だと言っていたことになっていた点です。ここの部分は、子供ゆえの責任転嫁というふうに考えていいのでしょうか。読み違えていたら申し訳ありません。

子供さんにとっては、蛾という生き物は、恐ろしい物なんですね(お父様にとってもですが・・・)。この子供さんが、蛾という生き物にも命があって、生きているんだということを、今後の成長の上で学んでいってくれることを、願ってやみません。
□名無しさんからの批評 (2003/11/16 23:07) フォント
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「なしのお礼」の手紙なのに息子の話ばかりなのが不思議でした。急に去年の話になるのも変です。
カブトムシが蛾だったというのは良かったです。
息子さんは蛾の幼虫をいったいどこから拾って来たのでしょうね。
□名無しさんからの批評 (2003/11/17 00:01) フォント
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手紙という手法は面白いですね。ただ、手紙にする必要はあまり感じませんでした。
手紙の作法や文則については、皆さんの指摘と同じ点が引っかかりました。

また、手紙でこのような表現をするだろうか?と思える個所が目に付いたので、表現の評価を下げさせてもらいました。
特に三段落目の『親として〜厭いません。』までの中の、それぞれの句点の前が特に気になりました。

ラストの方の『これだから虫なんて大嫌いだしかし、こんなに〜』は文章がおかしいような。
細かいところですが、直された方が良いですよ。

カブト虫と思っていたら実は蛾だったというオチは良かったですが、
一応は子供が世話をしているのですし、子供に発見させた方がより良かったと思います。


□名無しさんからの批評 (2003/11/25 13:30) フォント
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だからなんだったの?という印象しか受けませんでした。本当に個人的な手紙を読んだ感じです。でもすらすらと読めて、私が好きなタイプの文章を書かれる方なので、今度は小説が読みたいです。
□名無しさんからの批評 (2003/11/30 16:01) フォント
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せっかく手紙の形式にしたのに、その形式が生かされていないことが残念です。
文章は流暢で、ご自身の文体が確立されていらっしゃるのだと思いますが、構成でそのバランスを崩したように思います。
虫の話を思い出す個所も非常に唐突です。こどもの話からの展開かもしれませんが、わかりずらいと思います。それであればせっかく梨のお礼を述べている冒頭なのですから、
「梨といえば……」とカブト虫に果物を与えた話に結びつけたり、もしくは梨ではなくカブトムシの餌になるようなものと関連付けたりということで、ぐんとこの形式が生きると思います。
文体は丁寧ですし、発想も良いと思うのですが、せっかくの発想がまったく生かされなかったように思い、このような評価点に致しました。
□名無しさんからの批評 (2003/12/01 03:25) フォント
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 ?や!の後はスペースを開けるものです。前回も参加してらっしゃる方のようですが、様々な作品への批評でこの指摘はたくさん出てきました。書くことと批評することだけではなく、他の批評を読むということも必要だと思います。
 他にも何人もの方が言われていますが、先生と呼ぶほどの相手に対して前略は失礼です。拝啓から始まり、何か一言挨拶をすべきでしょう。
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