「バッタ」
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 真夏の太陽が緑に照りつけ、眩しい位に光っている。緑は見渡す限りに広がり、風に吹かれ波のように揺れる。私はそこに立っている。特に意図があるわけでもない。どうしてここに来たのか、それすら忘れてしまった。
 パシッ。私の手には獲物が握られている。
 そうだ、私は空腹に耐えかねて獲物を探しに来た。私は手にした獲物に、夢中になって食らいついた。焼きもせずに、生きたままだ。まだ、動いている。別にそういったポリシーがあるわけでもない。本能のままに、というか、この空腹を満たしたいだけだ。
 手に入れた獲物を食べ終えて、満足げに口元を拭く。私の手に足の先が付いていたが、全く気にも止めなかった。
 満腹になると、私は草原を走り始めた。
別に消化を早めるとか、ダイエットのためなどと考えているわけではない。体が勝手に動くのだ、本能というものだろうか。 走り続けてどれだけたっただろうか。まだ、終わりは見えて来ない。この草原は何処まで続いているのか、終わりはあるのだろうか。ただ、別に気にする事もない。第一、何の為に走っているのかも判らないのだ。そのうち、空腹がやってくれば獲物を探すという目的へ向かうのだが、それが満たされれば再び目的も知れず、走り始める。だが、その目的について考えたこともない。そんな事を考えるよりも、走る。走ると頭の中はからっぽになる。空腹になるとその事しか考えなくなる。つまり、他の事は頭に無い、ということだ。
 ―ちょっと待て、何かおかしい。それならば、私の頭の中には食べる事しかないはずだ。実際、仲間もそうだ。いつもそんなことしか考えていない。しかし、私は今考えている。おかしい。私は他の仲間と違うというのか。
 ―そうか、私は考えることができるのか。他の仲間には出来ないだろう。とはいえ、何か生活が変るわけではない。食べては走り、再び食べてまた走る。その繰り返しではないか。なんとつまらない、これなら考えられない方がいいではないか。何ということだ、風景まで同じ繰り返しに見えてきた。
 ―なるほど、私は今まで同じ所を回っていたのか!
だから、終わりが無かったのだ。真っ直ぐ進めば道は終わるはずだ。
 私はその信念を元に真っ直ぐ進んだ。今までと違い、少しだけではあるが風景が変ってゆく。そして、ついにやってきた。草原ではない、緑ではない、真黒の地面だ。やったぞ!ついに未知の土地へついたのだ!終わりにたどり着いたのだ!私は歓喜に満ちてその硬く、黒い土地へ足を踏み入れた。
 「あ! バッタがいるぞ!」
 上から声がする。大きな何かが私を覗き込んでいる。腕が下りて来て、私をつかんだ。
 「あはは、もがいている。首とっちゃえ」
 プツン。私の旅は終わった。
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□名無しさんからの批評 (2003/11/10 16:55) フォント
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何もかも、もうチョットがんばってほしいです。どこにでもありそうな発想であることはしょうがないにしても、主人公の生活や風景、触覚の描写をがんばればもうチョットよめるものになったとおもうのですけれど。
□名無しさんからの批評 (2003/11/10 23:04) フォント
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>本能のままに、というか、こ>の空腹を満たしたいだけだ。

というか、は要らないのではないでしょうか。
改行にも気になる箇所がありました。

お話そのものは、笑わせる意図はないのでしょうけど、何故か一昔前のダウンタウンのコントを思い出してしまいました。悪い意味で。
□名無しさんからの批評 (2003/11/11 00:28) フォント
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前半はとても良かったのですが、バッタが「考えている」ということに気づいたあたりから急に雑になってしまっているような気がします。バッタの思考力なんてその程度のものということだったら何となく解るのですが、もう少し書けそうな気がします。
□phさんからの批評 (2003/11/11 17:52) フォント
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「考えている」ことの描写がとても良かったです。虫らしい明快さと言うか、単純さと言うか。
ただオチが見え見えで、しかもその通りだったので残念でした。
□名無しさんからの批評 (2003/11/11 23:30) フォント
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『私』は考えることができて、他の仲間には出来ないと、『私』はなぜそう思うのか(思ったのか)等の説明があった方がよいと思う。
「!」は半角でなく全角を使うべきでは?
□匿名さんからの批評 (2003/11/12 10:00) フォント
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バッタさんですね。色々な点は他の方があげているので、私なりに。
オチというか結末部分にある「子供たちの会話」これをバッタの立場で書くと冴えるかな?知能が芽生えたバッタでもコドモのコトバ(読者は勿論分かりますが…)は理解できないでしょうから、ここを「文字」で表現する、というのはどうでしょう?次回に期待します。
□水夫さんからの批評 (2003/11/12 16:37) フォント
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ダイエット、というあまりにも複雑な概念を登場させてしまった時点で終了です。もうちょっと原始的な概念だけで思考した方がよいでしょう。

しかも、思考するだけでは芸にはなりません。
□名は無いさんからの批評 (2003/11/15 02:52) フォント
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誠に申し訳ないことですが、掲載順の下から読んでいったためにこの手の話に慣れてしまい、オチが見えてしまいました。
人間らしい思考と虫らしい思考の境目ぎりぎりを狙って表現できると、私好みで面白いです。
□名無しさんからの批評 (2003/11/16 12:32) フォント
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擬人化している・・・って解る文章だったので、もう少し美味く隠してほしい。
文章自体はスムーズに読めてよかった。
□名無しさんからの批評 (2003/11/16 18:07) フォント
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読みやすくはありますが、ちょっと説明的か。最後のぷつんも、いらないのでは?解説しなくても読者が読み取るところに、話のおもしろさがあるのでは。
□名無しさんからの批評 (2003/11/18 00:54) フォント
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全体的に読点が多く、改行も適切ではない部分が見受けられました。

6段落目の『ただ、別に気にする事もない。』の『ただ』は無いほうが良い気がします。

基本的には虫の視点からの文章のはずなのですが、『焼きもせずに』『私の手』『ダイエット』など、人間臭い表現がありますね。
それも上手く使えば面白いのかもしれませんが、中途半端な印象を受けました。

ラスト近くの『大きな何かが私を覗き込んでいる。腕が下りて来て、』は、『大きな何か』を人間だとは知らない虫の視点でありながら、下りて来たのが『腕』と知っているのに違和感を感じてしまいました。
一文の中に混在していたので特に気になってしまいます。

題名の『バッタ』からも、読み始めてすぐバッタの視点なのだと読者にわかります。
ラストまでバッタであることを隠す意図もなかったのでしょうが、だからこそ人間臭さを感じる描写がしっくり来ないように思いました。

他の仲間とは違い思考を持つ自分に気付き、冒険をした先に待っている憐れな末路という結末はありがちですね。個人的には嫌いじゃないですが。

□名無しさんからの批評 (2003/11/19 23:38) フォント
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擬音の使い方が下手だなぁ…と思いました。
バッタよりもカマキリの方がしっくりくるし、考えることが出来る云々もいまいち。

ちょっと批評に困ってしまいました。
□名無しさんからの批評 (2003/11/20 23:59) フォント
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バッタの「考え」が強引で説得力がありません。物語を完結するためだけに「考えている」ように思えてしまいます。
□名無しさんからの批評 (2003/11/21 19:44) フォント
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最初の方で手に獲物とあったので主人公は蟷螂だと思っていましたが…。
最後の七行は少し間延びしている感を受けました。
□匿名さんからの批評 (2003/11/24 23:10) フォント
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頭から何となく読んでいくと、「あー成る程なー」と思わせる流れになっているのですが、読み返すと、バッタが自分は考えることが出来ること、同じところをぐるぐる回っていることに気が付く流れが不自然です。上手く前後が繋がっていないというか、唐突過ぎるというか。「―」これが不自然さを助長している気もします。
冒頭の描写や、バッタを擬人化させて自分の存在を認識していくという流れはいいと思うので、もっと文章を丁寧に綴るとよいと思いました。

どうしても解せないのが、バッタって肉食だったっけ?という点ですか。コオロギやキリギリスを主人公にした方が、そういう点では違和感が無かったかと。
□名無しさんからの批評 (2003/11/25 13:47) フォント
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!が気になりました。もう少し話を練ってほしかったです。オリジナリティがほしい。
□名無しさんからの批評 (2003/12/01 02:17) フォント
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楽しめました。
ただ、主人公はバッタとありますが、これは蟷螂としか思えないのですが。そこが少し気になりました。
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