「彼と彼女の確執」
緑原 碧虫
 翔にはどうしても一つ、咲と同棲を始めてから気になっている事があった。
 それは咲の枕の事だ。
 咲は控えめに言っても、美人だと思う。よく気が利くし、しっかりしていて愛想も良いから、どこへ行っても自慢になると、翔は常々そう考えている。
 翔は咲と付き合って二年目で、しばらく前から翔の家で同棲状態が続いているのではあるが、それもあと数日で半年となる。
 いざ一緒に住むとなると、あれこれと不満が出るかもしれないと、翔は内心覚悟していたものだったが、始めてみると日々の生活の煩雑さもあり、特に感慨の無いものであった。
 しかし咲の枕を、どうしても翔は気に入ることが出来ないでいる。
 彼女が家から持ってきた枕はそれはそれは古そうな物で、咲が言うには物心ついた時から使っているらしい。
 同棲を始めるにあたって、翔は咲に幾度か「新しいのを買い揃えよう」と言ったのだが、その都度咲が話をうやむやにするのだった。
「人ってさ翔君、寝てるときはほとんど無意識なんだって。眠らないとすぐ死ぬって言うし、無意識が無くなっちゃうと人って死んじゃうってことなのかな。」
 咲は翔と寝ていると時折、そういった話しをしたりすることがある。
「翔君知ってる?人ってね、人生の三割は眠ってるんだって。寝てる間はこんな風に枕に支えられてるよね。だとしたらこの枕には、私のいくらかは詰まってるんじゃないかな。」
 咲の身体に手を伸ばそうとしている翔には、無意識の返事で十分なお伽噺であった。
 同棲が始まって半年目の日、お祝いがしたいと言う咲のために、翔はプレゼントを買ってきた。それは新しい枕だった。
 その日の夜は、二人でささやかなお祝いの手料理を食べ、食後のゆったりとした時間の中でお互いのプレゼントを出し合った。
 咲からのプレゼントは、丈夫そうな腕時計だった。
「翔君のは大きいね。無理してないよね?」
「まさか。気に入ってくれるといいけど」
 翔の期待とは裏腹に、包みを開けきった咲の目は、笑ってはいなかった。
「…翔君のバカ」
「えっ?」
「たった二年で、私のことを全部知れるわけないじゃん。バカにしてるよ」
「おいおい、何怒ってんだ?」
「…もういい」
 この後咲に許しをもらうまでに、翔は三日を費やした。けれど咲が何を怒っていたのか、翔に解かる事は無かったのだった。
 翔が腕時計を捨てる事になるのは、これから幾らか先のことである。
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□さよさんからの批評 (2003/10/10 00:52) フォント
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はじめの3分の2は、さらさら読めるし気持ちもわかるし、いいと思います。でも、後半の、
「たった二年で、私のことを全部知れるわけないじゃん。バカにしてるよ」
のセリフの意味が、一読してわかりませんでした。何度か読み返したら、わかったんですけれど。
□若葉さんからの批評 (2003/10/10 01:57) フォント
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 咲が美人である説明が必要だったのがどうか疑問です。ストーリーにはあまり関係ないのでは? それと、改行の回数が多いですね。「翔にはどうしても…」から「翔は常々そう考えている。」までが1パラグラフでいいと思いますよ。あと、会話文の読点の有る無しを統一した方がいいです。

 文字数が限られているのだから、伝えたいことを中心に文章を構成しないと伝わりにくい作品になってしまう恐れがあると思います。
□名無しさんからの批評 (2003/10/10 12:57) フォント
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翔同様に咲の起こった理由がわかりませんでした。枕に対する思いの表現が解りづらかったです。
あと、2年付き合った二人が半年の同棲記念なんて祝うのかな、と思いました。冒頭で感慨も無いといっているし。
□名無しさんからの批評 (2003/10/11 02:00) フォント
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何が言いたかったのかよくわかりませんでした。文章には惹かれるので、ストーリーがもっとわかりやすいと、いいと思います。
□名無しさんからの批評 (2003/10/11 10:40) フォント
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文章自体はとても読みやすくて良かったし、物語としても面白かったです。
ただ、咲の枕へのこだわりに対し、翔は単に無神経なのか、それとも咲の枕が気に入らないのかがどっちつかずで、二人のコントラストが少々曖昧になってしまっているのでは?
最後の一文を削除しても、主題に絡むところはきちんと書いてみると良いかもしれません。
あと余談ですが、普通に考えてこんなカップルは二年も続かない気がします。即席で付き合い始めたカップルのほうが、話が解る気がします。
□名無しさんからの批評 (2003/10/11 17:39) フォント
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咲の価値観を理解してなかった(後にも理解できなかった)翔の破局は始まりが、「枕」だったんだなあ、と思いました。面白かったです。

ですが、『だったが…』『…であった』『…だった』という過去形の言い回しが、個人的には読むテンポを狂わせてしまいました。
最後の『これから幾らか先のことである。』は、語呂に違和感を感じます。
□名無しさんからの批評 (2003/10/12 22:48) フォント
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何回読み返しても、釈然としません。美人の下りも必要性を感じませんでした。
文章が読みやすいだけに残念です。
□Rさんからの批評 (2003/10/13 19:42) フォント
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美人のくだりは、私は他のみなさんとは逆で必要だと思います。
もしかしたら、その容姿と彼女の気難しさをコントラストにして書いているのでしょうか。どちらにしても、物語としてインパクトに欠けます。

2年も付き合っているのに、同棲半年でお祝いをするか? という評者の意見もありますが、あると思います。女性にはそういう人が多いと思われます。また、主人公の男と対称的になっていて良いです。

ただ、これは短編にしてはいけないお話だと思うのです。明らかに著者が続きを書きたがっている(勝手ですが)。だから、起承転結も弱くなり、最後の一文で終わらせている気になっている。ただ、それでは読者はついてきません。

もっと構成をよく考えて。文については可も無く不可も無く。発展途上で、まだいくらでも伸びます。
□水夫さんからの批評 (2003/10/14 16:50) フォント
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話が理解できないのは他のみなさんと同じ感想。また、この展開なら結局枕をどうしたのか触れるのが筋です。

また、枕のプレゼントより腕時計のプレゼントを後にして、その瞬間彼女が怒った理由を理解する、という展開のほうがすっきりすると思います。
□匿名批評者さんからの批評 (2003/10/14 18:54) フォント
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基本的な文法上の批評は皆さんがしているので割愛することにして、恐らく最初に書いた物を字数以内に削って、こういうものになったのだと思うんですが、ちょっと内容がわかり難くなってしまったかな。
必要ない部分を全て省けばいいとは思いませんが、導入部分をもう少し圧縮して中盤の肉付けをしたほうがよかったかな。
□名無しさんからの批評 (2003/10/15 16:18) フォント
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話がよく理解できませんでした。
読みやすい文章なので最後までさらっと読んでしまったんですが、その割に内容はわからずじまいでした。
次回は制限字数内にきちんと収まる話を期待しています。
□名無しさんからの批評 (2003/10/15 20:22) フォント
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『人ってさ翔君』
言い回しが変だと思いました。
全体的に、ぱっとせずよくわかりませでした。
ただ、読みやすさはとてもよかったです。
□名無しさんからの批評 (2003/10/15 20:23) フォント
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すみません、すぐ上のは評価忘れです。

『人ってさ翔君』
言い回しが変だと思いました。
全体的に、ぱっとせずよくわかりませでした。
ただ、読みやすさはとてもよかったです
□匿名さんからの批評 (2003/10/16 12:47) フォント
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2年間も付き合ってた二人が、たかが枕1つのことで突然仲違いして破局を迎えるかなぁ?というのが一番の疑問点です。前々から彼女が彼に何かしらの不満を抱いていて、それが枕の一件で綻びが目に見えるようになった、という流れなら納得も出来ますが。
後、枕は同棲半年記念のプレゼントよりも、彼女の誕生日プレゼントという扱いの方が自然かな、という気がします。
文章自体は読みやすくてよかったです。
□名無しさんからの批評 (2003/10/16 13:00) フォント
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読みやすいです。けれど三人称である必要は感じません。いっそ翔の一人称にしてしまった方がよかったかも。
それと、咲の感情の流れが読み取りづらいです。翔の視点からの文章なので、その書き方が最後の破局へ向けた布石と読むこともできますが。深読みしすぎかな。
あと、「・・・」じゃなくて「・・・・・・」ですね。
□名無しさんからの批評 (2003/11/01 03:07) フォント
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『枕には、私のいくらかは詰まってるんじゃないか』と思うほど枕に思い入れのある彼女と、それを聞き流してしまう彼とのすれ違いで別れに至る物語。
ただ、枕の一件以外にも、すれ違う部分の描写がないと弱いです。

『続いているのではあるが』『内心覚悟していたものだったが』『そういった話しをしたりすることがある。』など、表現がくどい部分が目に付きました。
厳しいことを言いますが、全体的に表現が稚拙な気がします。
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